元Appleのデザイナーの発言を紹介している記事です。なぜAppleに衰退した時期があったのかを分析しています。そして今の成功をふまえ、今後どの市場に注力すべきを解説しています。
ノーマン氏は、コンピュータの未来について思いをめぐらすこともやめない。世界は今、互換性を求めていると同氏は指摘する。世界はコミュニケーションを求めており、これは1つのブランドの支配を意味するという。「もはや『コンピュータ時代』などではない。非常にスマートなチップが、巨大な世界規模のネットワークにつながる時代なのだ。インフラは共有を目的とする」。つまり、複数の互換性のない方法で物事を進めると、生産性を落とすことになるというのだ。
via: ITmedia PCUPdate:「Appleはメインストリーム市場から退け」——元Appleデザイナーが語る
Appleが失敗した経営戦略の解説は、正直一元的な視点のため、あまり賛同できません。もっと多角的な分析から考察すべきだと思います。
むしろこの記事のおもしろい点は、後半部分です。
このAppleの元デザイン責任者ドン・ノーマン氏は、次世代Windows「Longhorn」のデザインについてMicrosoftに助言する立場にあります。おそらくMicrosoftが非常に注力している次世代のファイルシステムのインタフェース部分について携わっているのではないかと思います。
このファイルシステムは、以前私が「ヤコブ・ニールセンのコンピューター未来予想」で紹介したように、今の検索とは全く異なる「検索」が可能になると言われています。今のWindowsのようにフォルダ単位でファイルを管理するのではなく、一つのデーターベースを作成し、全てのファイルをそのデータベースへ保存します。そして検索速度の向上や、曖昧検索、関連検索など様々な検索手法に答えていくようなイメージです。
Appleはこの機能が来年度発売予定のMacOSX10.4に先取りされていると、WWDC2004ですでに発表しています。
私たちの「創造作業」にコンピューターがさらに寄与してくれる事を期待しています。
“ユーザビリティエンジニアリング原論―ユーザーのためのインタフェースデザイン (情報デザインシリーズ)” ヤコブ ニールセン