diary

小さな命

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1972年2月、23時53分、あと数分で日付が変わろうかとする時、一つの命が誕生した。体重2,480グラム・身長40数センチの小さな命。予定より二週間以上早く誕生した瞬間は、家族に幸せをもたらすはずだった。

でもそうではなかった。

医師と看護婦は、すぐさま自分たちの顔が青ざめていくのを悟った。

なぜなら、”命の叫び”が聞こえなかったからだ…..

とっさに看護婦は、心の中で「泣いて」と祈りながら、自らの手をあげた。
パーン、パーン。
静かな分娩室に響きわたる悲痛な音色。
それでも叫ばなかった。
叩いても、つねっても叫ばなかった。

そして今度は、心の中で「ごめんね」と言いながら看護婦は、逆さまにして上下にほんの少しだけ揺すった。それでも駄目だった。

目の前で繰り広げられる医師と看護婦の行動に、ようやく事態を察した母親は、喜びとは違う涙を流しながら、”仮死状態の我が子”をじっと見つめていた。

数時間後、母親と父親が院長先生に呼ばれて、『あきらめてください』という第一声とともに”宣告”された。

・助かる確率が非常に低いこと
・万一助かったとしても、何らかの知的障害がのこる可能性が高いこと

“宣告”を聞いた二人は、
「院長先生を信じています」
という一言だけを残して、自分たちができることは”何か”を探しはじめた。

そして、希望だけを信じた人たちの戦いがはじまった。

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