[Review]: アイデアのつくり方

何の気なしにフト手に取った。なるほど、自分はこんなところに問題意識を向けていたのかと気づいた。本屋巡回ではよくあること。あまり意識せず目に飛び込んだものを手に取る。関心のもっていたテーマにあらためてビックリ、なんて。

で、アフィリエイトをやっているわけでもないのに「ナンデこんなレビューを書いてんだ?!」って。そこはかとない寂寥感に包まれながら一心不乱にブラインドタッチ 🙂

『アイデアのつくり方』 ジェームス W.ヤング, 今井 茂雄

『アイデアのヒント』 ジャック フォスター

『考具 ―考えるための道具、持っていますか?』 加藤 昌治

無理矢理無茶苦茶あてはめるなら、1から順に、アイデアに関する「戦略」-「戦術」-「戦闘」といったところ。1の原書の初版は、1940年。古い、しかも薄い。「スゴイやり方」につぐ薄さ。これを読んで、「90年代のマーケティング関連本・企画関連本に登場するネタモトはこれか!」と氷解、したような気が。ほんのちょっとだけ。訳者もあとがきで認めているように、原文が平易で書かれてナイ。訳にてこづったもよう。そのため原文にかなり忠実に訳しているから、ちょっと読みづらい箇所もある。

著者の有名な言葉。この著書のシンボル。というか米国広告界のシンボル?!

「アイデアとは既存の要素の組み合わせ以外の何ものでもない」

そしてアイデアを作り出すには、5段階があるという。曰く…..。

願わくば買って読まれたい。だって、立ち読みしても1時間もかからないから、ケシカラン。何のためにあるかわからんイスがある書店なんかで見つけたら、即イスにすわって読んでしまうだろうな。

5段階を書くと早合点して、「そんなこと当たり前だろう!」て突っ込まれるし、HTMLのコードを打つのがシンドイ。

まぁ「アイデアを作る」のに必要な戦略とはこういうことだろうなぁと妙に納得。平易な表現で誰が読んでも理解できる。けど含蓄が多分に含まれている。戦術に落とし込むと、ナニガナンダカぐたぐだになる>あくまで私は。

次に登場するのは、2の「アイデアのヒント」。もう「アイデアのつくり方」(ジェームス・W・ヤング)を対象にしているのは明確。序章に書いてある。おまけにヤングだけではさびしいから他分野の著名人もいかに同様の段階を残しているのかを紹介。ところがチョット待て。これらの著名人らは、いずれも段階を示してくれるけど、「適切な心構え(心の準備)」に詳しくふれていない。

だから、著者(ジャック・フォスター)が用意しようというところからストーリーが始まる。で、8つの心の準備を紹介。さらにアイデアを考えるときのプロセスを5つ紹介。これも1と同様、ご興味のある方は読まれたい。

「アイデアのヒント」を読んでみて、あらためて自分の思考にはげしいズレがないのに胸をなで下した。だって一緒に歩くと、友人には、「何人とぶつかりそうになるんや?」といわれ、パートーナーには、「私を見るより美人を見る方がそんなに楽しい?」なんて(11%ぐらい図星な指摘)、つっこまれる。だって、おもしろいだろ。どこみても「ナンデって思うようなものいっぱいあるで」って、こころのなかでつぶやく(泣

激しく脱線した。

まぁ「アイデアのつくり方」も「アイデアのヒント」も3つのポイント。

  1. speculative(=投機的)タイプの人間であれ
  2. ありとあらゆるものに興味をもて。例え興味のないものにでも
  3. とにかく楽しくてしかたがないぐらい好きになれ

投機的タイプの人間というのは、イタリアの社会学者パレート(80:20の法則で有名)が、「世界の全人間が二つの主要なタイプに大別できる」と示唆したうちの一つ。もう一つは「株主」(ここでは型にはまった人間の意味で使用)。なんというか、二つに大別するあたりが西洋文化的思考なのね。

ところで、ありとあらゆるものに興味をもてということは、「バカの壁」を読んだモンとしてはどう消化すればいいのか愚考した。すると右脳と左脳に上脳と下脳にわかれるぐらい混乱。まっ、あんまり深みにいかないでおこうとゼスチャーを示しながら、深く自問してみた。

とにかく楽しくてしかたがないぐらい好きになれには激しく同意。やっぱりコレでなきゃ。ああ、でも刹那的・快楽的じゃないですよ。

そして最後3の「考具」。アイデア戦闘本。戦い方(アイデアをひねりだす方法)を特盛で用意してもらえる。著者は株式会社博報堂コーポレーションコミュニケーション局に所属。駆け出しのころ、アイデアに辛酸なめきっただけあって、アイデアと企画の違いなんかも書いてあり琴線にふれた。

その著書が「考えるための道具=考具」を具体的に使っているモノも含めて紹介。

  • 「カラーバス」
  • 「ちょいメモ」
  • 「七色いんこ」
  • 「マンダラート」
  • 「オズボーンのチェックリスト」

などその他多数。ほどよく整理・分類されてまとめられている。あと、考えるためのコツなんかも散見。プラス参考図書・引用文献には上2冊は当然ながらリストされているほか、「やっぱりいきつくとこ同じかな」と思える図書が全部で20。何冊か読んでいないので追いかけてみよう。

まとめてとして。ここれまで書いたらつかれた。

「これら先人たちの知恵をいくら頭につめこんでも、やらなければ何にもうまれない。やって、悩んで、またやって自分の流れをつくって習慣にできるかにつきる。それがノウハウでありパーソナルアイデンティティになるのかなぁ?」

という、これまた至極当然の先人たちの教えに再度たどりついたところで日常の興味津々にもどることにする。

最後に「考具」の著書が紹介し、自分ももっている神田昌典氏の書籍の一文を残して闘争心に火をともす。

「成功するためのノウハウはすでに明らかになっているのに、実際に行動に移す人は1%しかいない。だから成功するのは簡単なんだ」