2004年はIBMとGoogleかぁ

恒例の今年を振り返る記事。IT業界は、IBMのPC事業売却がPC中心時代の終焉と言われ、Googleの話題もちきっているニュアンスの記事が多いような気がする。他でもよく似たのを見るし。

それぞれの記事を拝見していると、ウンウンとうなずけるが少し生意気な疑問も。IBMのPC事業売却は確かにショッキングなニュースであり、森祐治氏が言うように

「冷静な経営判断を常にする人間からすれば、5億ドルもの負債を抱えた事業を保有すること自体が常軌を逸していると受け取れる」

だと思う。でもPC事業が儲からないってのは、いささか疑問。さらに終焉というのも早計かと。ならDELLやHP(ここはわからんが)はどうなるのか?儲からないのは、IBMのPC事業の構造問題かと。「生産構造」「顧客構造」「価格構造」の要素が絡み合った結果、DELLやGatewayのようなマネジメントを選択しなかっただけでは。現にサーバー事業はかかえているわけだから、ハードとオンデマンドサービスを絡めてソリューションサービスで稼いでいこうという路線は変わっていない。

まだアジアでは、「500ドルで販売しないといけない」市場がゴロゴロあるわけで。500ドルPCをどのように生産し、いかに利益をだすかに血眼になっているメーカーもある。買収した中国企業もその一つ。この市場を選択することを、IBMはPC事業のB/S,P/Lと株主が許さなかっただけでは。

さらに終焉というなら、もうとっくに終焉しているともいえなくもない!?だってエンジニアやクリエイター、ライターやブロガーなどを生業としている方は、すでにPCを中心においている人なんて少ないだろうし。まぁ、ハードウェアをレポートするライターは別ですけど。むしろネットが中心になり、そこでナニを生み出していくか?ナニを模倣して改良していくか?に夢中になっている。PCなんてIntelであろうが、AMDであろうが、Appleであろうが、「道具」として貢献してくれればいいわけで。

反対にPC中心時代の終焉といいつつも来年度以降のIntelやAMDのロードマップを見ると、まだまだPC健在、意気揚々の感じもする。64bitCPU、デュアルコアCPUなどなど。かと思うと、それとなく将来のユビキタスコンピューティングにそなえた開発もしているし。

どうもこの「PC中心時代の終焉」というテーマには違和感というか、「ナニに対して中心か?中心になる周辺はナニか?」が恥ずかしながらわからなかった。

ところでGoogleは、ますますテクノロジーに傾倒しつつもコンテンツサービスへ舵をきる機会をうかがっているという感じですか。とかく希望したいシステムは、こんな感じです。あっ、無茶は承知です。ハイ。

「BlogやオープンなSNSで話題になっているテーマを連鎖的に検索して表示してくれるサービス。イメージ的にはメーリングリストなんかのスレッド。」

例えば、「木村剛+日本振興銀行+Blog」って入力すると、個々のキーワードをひろってくるのではなく、有機的につながっているエントリーを表示してくれる感じ。トラックバックから拾ってくるなんてできるのかなぁ。

来年以降、「広義」の検索よりもさらに「専門性の高い」「狭義」な検索、「親和性の高い」検索が求められているような気が、このエントリーを読んで思った。