さてどんな4年になることか

約4千万ドルの警備費用の就任式。さすが大統領職を個人ではなく、”国家機構”とみなしている米国らしい。就任式を見ていたが、対外的には「テロを撲滅し、全世界に自由と平和を!」とのたまわっていた。さて、その内容と手法はいかん?

先日のライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、公聴会で共和党タカ派らしい応答をしていた。これから共和党保守本流(バーキアン)の国内問題優先派(アイソレーショニスト)と繰り広げるかもしれないつばぜり合いを見世物小屋感覚で楽しめそうな予感。

しかし、国外問題(グローバリズム)も山積みだが国内問題をどうするんだ、ネオ・コンよ。ご存じのようにネオ・コン(ネオ・コンサヴァティブ)は、ブッシュ2期目政権の中枢。

まぁ、ネオ・コン派には冷戦時代の対ソ強硬路線派や元左翼や元共産党がいれば、共和党の「サプライサイダー」の一部もいる。さらにラムズフェルドのように思想転換したリアリストというか場合によっては、オポーチュニストもいる。ややこしい集団なもんで、こちとら調べるのに苦労する、勘弁してくれ。

ネオ・コン派の代表的な政治的思想転換は、レーガンデモクラット(共和党のレーガン氏に投票した、おもに中流階級以上の元民主党支持者)。サプライサイダーとマネタリストなんて矛盾した経済政策を推進したレーガノミックスに賛同した方々。ほんまややこしい。

前置きはさておき、国内問題は巨額の財政赤字。6000億ドル以上(2005/02/11追記:2004年現在、6177億2500万ドル)ともいわれ、遅かれ早かれヤバイかもなんてささやかれはじめている。なのに、クルーグマン教授が言うように、歴代大統領でおそらく初めて「戦時中の減税」法案(2003年6月)を通過させた。強気だな、ネオ・コン。

普通に考えりゃ、ありえんことをブッシュはやったわけか。裏を返せば、何か戦略があるということで。で、調べてみると、「ラディカルな戦略」が見え隠れするらしい。

「減税を実施して歳入を減らし、富裕層に恩恵を与える一方、赤字を理由に社会福祉(社会保障制度と老人医療保障制度)を切り捨てる」

歴代の共和党政権内の一部が実施したくてもできなかったラディカルな政策。ところがこの政策、よく考えると不思議じゃありません?ネオ・コン派とある意味対立する共和党内リバータリアンの強硬派の政策と一致する!?
>教えてください識者の方々。

だってリバータリアンは、市場原理優先主義。反税金・反福祉・反政府思想で一番過激な人は、アナーキスト。このあたりが強烈に複雑な米国政治が垣間見えて痛快。

軍事面でも似たようなことがおきていない?ネオ・コン派のグローバリズムのもと、中東のパックスアメリカーナを目指して邁進。一方、「最先端の軍事力による効率化が達成された」というふれこみのもと、世界規模で米軍の再配置が決定。なんか、さっきのレーガノミックスみたい。矛盾しているような感もあるけど、どうなんしょ?
と書きながら、私にはワカラン。

まぁ、一次情報を手に入れることができない私なんぞは、識者の方々が書いたレポートをせいぜいおいかけるぐらいしか能がないわけで。しかし、せめて「ニューリパブリック」や「ニューヨークタイムズ」のコラムなんかを読めるようになりたいね。やっぱり英語ができんといかんと痛感。

ダラダラ書いたついでに、書いちゃえ。ブッシュ大統領と小泉首相って、「論理的思考法の欠如」という点は、似ている。でもそれだけでなく、政治手法も似ているからシンクロナイズしているのかねぇ。

東京大学出身で公安警察官僚出身の自称弱者の味方で骨の髄まで政治屋の亀井静香氏は、「自民党にして民主党の政策をするからおかしくなる」なんて、香ばしいコメントをしてくれている。が、考えてみ。三上義一氏が言うようにリベラルな装いとは裏腹に、改憲・郵政民営化・靖国問題・自衛隊海外派遣でっせ、亀井さん。田中角栄氏以来の自民党保守本流を上回る「保守革命」!?

と、いち市井人が愚痴ながらダラダラ書いてみた。