[Review]: プロカウンセラーの聞く技術

『プロカウンセラーの聞く技術』 東山 紘久

「話し上手は聞き上手」ならぬ「話し下手で聞き下手」という救いがたい自分には、さらに追い打ちをかけられた気分。「聞く」を生業にしているカウンセラーの「本当に”聞く”とはどういうことか、わかる?」ってナチュラルに手前味噌された本。感服。

わざわざ”プロ”と修飾しているところに痛快を感じてゲット。「話す」ことの訓練も必要だが、それと同等もしくは以上に鍛練をつまないかんと痛感。

31のトピックから構成されていて、特段何かカテゴライズされているわけではない。自分は勝手に

  1. 技術
  2. 洞察
  3. 配慮

にわけて、左脳をフル回転させて整理していった。一言集約すると、「沈黙を恐れず徹底的に聞け」。

『”聞く”には「技術」が必要であり、”聞く”には人や物事を「洞察」する力を身につけなければならず、”聞く”には相手と自分に「配慮」する態度をもたないといけない』といった意味のカテゴライズですかね。まぁ独断と偏見なのでスルーで結構かと。なんか「聞く」でSEOイケソウ:->

で、一言集約のためには、

  • 真剣に聞けるのは1時間以内
  • 自分のことは話さない
  • 教えるより教えてもらう態度で
  • 聞き上手には上下関係なし
  • LISTENせよ、ASKするな

といった納得のトピックが満載。あとは聞くための技術をお披露目している。しかし、一体これだけ聞いていて嫌にならないのかぁっと思いながらページをくっていると、ちゃんと答えてある。フルコースに歓喜。

それは、「相手の話は相手のこと」と思うこと。本当にそう思うには、相手を理解しようとトコトン心がける。しかも相手と自分を混同しない。相手が話す内容に興味を持つのではなく、相手がどうしてそのような思い、感じ方、受け取り方をするのかに興味をもつこと。

もうね、涙がでましたよ、ホント。「ヤッター、自分のやっていることは間違いやない。でも全然できん自分がノータリン」ってね。っつーか、この手の本を読んで泣きかけたのは初めてかも。情けねぇ。

昨年、私が尊敬する歯科の先生のはからいで患者さんとFGIの司会をさせていただいた。さらに患者さんへのインタビューという機会もいただいた。今から考えると素人の自分が先生にも患者さんにも失礼だったと、お詫びしたいところなんですが….。

その時、「聞くことの難しさ」に苦汁をなめた。カウンセリングとFGI、またはインタビューは、その性質が違うため一概に比較はできん。それはさておき、問題発見のために聞くのではなく、ホンネを引き出していくためにとにかく話をしてもらうことがどれだけ難しいことか。

その時の苦悩していた自分に、「沈黙を恐れてはいけないですよ。それに教えてもらいましょうよ」という先生のお言葉。同様のことがこの本にも掲載されているし、今も絶対忘れることがない自分だけの格言になった。

その医院で実践しているシステムが非常にユニークで目からウロコだったが、ここでは話がそれるし、とりあげていいものかどうかなので割愛。

この間もさる方と食事をしていると、こちらが今の相手の気持ちを聞くっつーか、それが自分の役割なのに、嬉しくて自分がペラまわしてやがんの。後悔先に立たず。してもあとの祭り。

なんでしょうねぇ。ホント、みなさんはどうです?「聞く」ためにどんなことを意識されてます?

まぁ、せめてもの慰めというか自分に言い聞かせるなら、あくまでプロカウンセラーとして提言している内容ということで。確かに夫婦や恋人の話をひきあいにだしてるけど、実際に31のトピックをカウンセラーのようにやったらどうなんしょ?

時と場合、またその人の”ナリ”によっちゃ、「スー」っと引かれたり、「おもしろくない人!」ってプイってされたりするかもね。何事もバランスということで。

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