diary

元会計事務所職員の確定申告期間の叫び#2

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前回の続き。いよいよ知識集約型業務から労働集約型業務へ変貌していきます(笑)。

結論からすると、「インプットとアウトプットにそんなに物量的格差があるなら、人海戦術をとればいいじゃん。」という回答に、「いやぁ、一概にそうできないんだよねぇ」という複雑な解で矛を収めざるを得ないって感じかな。

確定申告ワークフロー

【決算書・申告書作成】
ひたすら必要項目にデータを入力する。考えなければならないのは、ただ一点。

『どの項目にどのデータを入力すれば、決算書と申告書が作成されるか?』

新人から3年目ぐらいまでの職員が、ここではまる罠がある。決算書と申告書を入力しながら、

  1. 数字が適正かどうか"判断"しながら入力する
  2. 決算書から申告書までを一気にやらない
  3. 申告書の完成図が予測できていないから、あわてふためく

誤解のないようにしておくと、所得税の申告は1年に1回だけなので、確定申告という仕組みを理解しながら、TKCのシステムを上手に利用できるようなるには、3年はかかるのではないかと。例えるなら、年賀状ソフトみたいなもの。1年に1回しか使わないので、干支と挨拶文はできても、どうやって作成すればいいのかわからない。

で、決算書と申告書の作成というのは、アウトプットの完成予想図が頭の中にできあがっていて、それを実現するためのインプット作業なわけで。反対にいえば、完成予想図が描けていない場合ほど、上の3つをやらかす。

ここまでくると、事業主はただただ結果報告待ち。

> 一人ツッコミ
この工程をどれだけ「最適化」できるかが、勝負。工場的要素が強いから、生産管理の視点が必要。ただ、新規顧客はデータが全くないからイチからのインプットになるのが、ツライよねぇ。

【添付書類準備】
おそらく確定申告の中で全く考える作業を必要としない業務のひとつ。なのに、その添付書類がないと税務署からお叱りをうけたり、検算がパスしないというパラドックスが存在する。

ようは、書類のコピーです。ひたすらコピーします。特に「譲渡申告」「贈与申告」で添付書類が多数必要な場合は、嗚咽気味。

また、かなりレアケースだけど、事業主には予期せぬ連絡がはいることも。いわく、「○○の書類がたりません」。添付書類の不備を指摘されてのことだけど、何で今の時期になってという事業主のプチ怒りと担当者のプチ焦りが交錯する。

【検算】
若手社員には、戦々恐々の場面かな。時には感情的もつれが生じるケースもある!?かくゆう自分もなつかいしい思い出が。トコトン親身になって育ててくれた上司の検算は、「越すに越されぬ○○(上司の名前)剣山(検算の語呂あわせ)」と恐れられていて、幾度となく登頂に挑んでは、木っ端みじんにたたきのめされた。

> 一人ツッコミ
ホント、あの検算のおかげでまともな一人前に育ててもらったようなものです。本当におせわになって感謝してもしきれませんね。すばらしい方でした。

【印刷・製本】

バックヤード

まず図をご覧ください。図は、インプットする職員に対してアウトプットを支えるバックヤード(=BY)を表している。で、一連の業務フローに致命的なボトルネックが存在しているのはあきらか。ズバリ、「インプットとアウトプットの物量的格差」。

1人の職員数に対して、1人のBYであれば、それほど問題にならない。ところが当然のごとくそんなBYを抱える事務所はどこにもない。在職当時の比率としては、職員数:BYの比率は、9:1ぐらいかな?入り口はたくさんあるのに、出口が一つしかない。だから大渋滞をおこす。

このボトルネックが最大の問題。ここでふり返ると、冒頭の「決算書・申告書作成」や「添付書類作成」も同様に考えられる。顧客数は数十件とあるが、一度に処理できるのは、1件。

どうすればいいのか?ありていにいってしまえば、インプットとアウトプットの物量的格差をうめるための臨時スタッフを雇用すればいいのではないかという解決策。ところが、どうも一筋縄ではいかない。理由として

  1. 守秘義務および個人情報流出の可能性
  2. 間接人件費の増加にたいする効果を評価するシステムがない
  3. 「決算書作成」から「印刷・製本」までのラインが規格化されていない

が、私見として考えられる。なもんで、毎年同じように進行していくわけ。

多分いてないだろうけど、ここまで読まれた方はお気づきのはず(苦笑)。確定申告時期に会計事務所が多用になるのは、知識労働型業務と労働集約型業務がこれだけ同時多発的に発生するからで、しかもその大半が、労働集約型業務に依存するところが大。裏を返せば確定申告が、IT全盛の世の中にいまだ紙という媒体を必要とし(近い将来なくなるけど)、シンプルイズベストどころか複雑怪奇な制度なわけで。

近年というよりも、もう随分前からだけど、会計業務や申告業務はコンピューターソフトがめざましい進歩をとげている。いまや、手計算なんてアナログなことはしない。「PCが計算、人がインプット」するようになっているけど、コワイね。ナニが?

『WordやPowerPointを使って提案書やプレゼン資料作成するとき、デザインやインプットに時間をかけている自分を疑問に思わないこと。』

> 一人ツッコミ
そんなやつは、数年前ならともかく、もういないだろ?

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