先日、jigブラウザについてのエントリーをしたばかりですが、今度はKDDIがそれに対抗するかのように新サービスを発表しました。
第3世代携帯電話CDMA 1X WINのすべてのパケット通信料割引サービスにおいて、Eメール、EZwebとPCサイトビューアーの利用料金を合わせて月額5985円(税込み)で使い放題となる。
PCに接続してインターネットを利用する場合をのぞいて、これで携帯電話からPCサイトを定額で閲覧できるようになります。ただし、現在利用できる端末はOperaを搭載したW21CAのみですが、今後は複数の端末を用意するそうです。
今回KDDIが定額サービスを提供する背景には、文面から次の3つがあげられます。
- jigブラウザを意識せざるをえない状況
- 従量課金を気にするユーザーの取り込み
- ポータルサイトとの連携による新たな収益モデルの構築
一方、jigブラウザのエントリーでも取り上げたとおり、フルブラウザの定額制サービスは既存のビジネスモデルを破壊する可能性があります。
コンテンツ事業者から見れば、PCサイトビューアーのようなフルブラウザは既存のビジネスモデルを破壊する危険性もある。たとえばニュースサイトの場合、月々数百円で携帯電話向けのサイトを提供しているが、同じニュースがPC用サイトでは無料で見られることもあるからだ。
これにも、「基本的には自由競争の世界でやっていただきたい」というスタンスをとったことは、穿った見方をすれば、今後の携帯電話向けコンテンツからの収益は特定のカテゴリーからしか見込めないと、KDDIは予測しているのかもしれません。
そのあたりは、新サービスの収益と、将来的に逸失する収益(携帯向けコンテンツ事業者からの収益)とどちらかが優位かのシミュレーションをおこなってうえで、今回の意思決定につながったんでしょうね。
おりしもJICの23日付けの記事に「モバイルショッピングの利用意向、女性は84.3%」とでているように、モバイルショッピング利用者は増加傾向にあります。
ニーズとシーズが融合されるような今回のサービスが、既存・新規ユーザをどの程度囲い込めるのかが楽しみです。
一方でサイト運営者は自社の製品を、
- 携帯電話を使って移動しながらでも買い物やサービスを受けられる商品
- 携帯電話を使ってリアルタイムで訴求しつつ、PCサイトに誘導しフルブラウザで閲覧してもらえる商品
- 商品説明が必要であったり購買決定に寄与するコンテンツが必要な商品
といったような分類を今後はおこないながら、それぞれに適合したサイトを制作する必要があるのではないでしょうか?またそれにあわせて、ブログや携帯電話用アタッチメントなどマーケティングツールの利用も検討できます。