ある時はプログラマー、ある時は医療人

CNETの江島健太郎さんのBlogにある「医療の情報化を目指すMedXMLコンソーシアムの合宿に参加」を拝読して、医療人(そんな言葉あるかわからないけど)の"プログラミング+創造力+QOL"に瞠目。そして、あらためて、ウェブアプリケーションを開発できんといかんぁって痛感。

江島さんがコンソーシアムに参加するにあたって、当初はお医者サマのアカデミックサロンだろうってタカをくくっていたら、講演を聴いてドン引きしたって話。詳細はリンク先を読んでいただくとわかるんだけど、登場する先生方は、いずれもギーク用語を連発するプログラマー(=PG)顔負けの強者たち。

たとえば、キワム電脳工務店の高橋キワム先生。TigerにKeynoteでクールにプレゼンをしながら、出るわ出るわギーク用語。ご自身で「Wine Style」という電子カルテのソフトを開発されており、アップルのサイトでもMacOS X対応ソフトウェア医療部門として導入事例が紹介されています。何でもNeXTSTEP以来のプログラマーだそうで、Wine StyleはCocoa + OpenBaseで書いてるらしいです。そしてキワム電脳工務店のWebサイトはWebObjects on Xserve。


ちなみにギーク用語のギーク(=geek)は、コンピュータやネットの上級者という意味。語尾にラティがついて、ギークラティ(=geekrati)になると、特定の集団やジャンルのエリート。

エントリーのリンク先にある高橋キワム先生のコラムを拝読して驚愕。自身が直腸癌との闘病生活に身をおきながらも、プライベートを満喫している様子がわかる。ストーマ(人工肛門)の写真をあけっぴろげに紹介しているのが胸に響いた。

登場する先生方のプログラミング力が、なんで優れているかを独断すると、「業務に必要なファンクションとインターフェースを誰よりも理解できているから」だと思う。あくまで文面からだけの邪推。

まぁ、高橋先生はNeXTSTEP以来、エンゼルクリニックの是永院長はC++、大橋克洋先生はNeXTなんて読むと、テクニカルそのものも相当な力量だと推測できる。それだけでも脱帽なんだけど、何よりの強みが、"機能と入力画面"を自分の思うように創造できる点。

医療用ソフトは時として、「ソフトの使い勝手が悪い」「入力しやすいけど、もう少し融通が」と耳目する。原因はいくつかある。なかの一つに、PGが医療業界に精通していない場合(マレかな!?今なら)。

そうなると、先生が「いつ、どのように、どこを」の5W1H的視点やワークフローがざっくり抜け落ちているし、先生方のアナログ的動作に対する想像力も働かない。あとは察しのとおり。もう、ドコにナニをインプットすると要求どおりアウトプットされるのかが皆目見当つかないものや、かゆいところに手が届かないソフトが完成しちゃう。

それが、この先生方にはナイ、関係ない。だって自分で作っちゃえばいいじゃんてね。確かにリスクもあるかと。先生自身が内製化する役割に回ると、機会損失が生まれるから。以前、リスクにはまった幾人かの先生を拝顔してきた。全てを自分でやるあまり、マネジメントが機能せず、医院経営が安定しないとか。ようは、内製と外注と取捨選択のバランスなんだけど。

ところで、今回のテーマはウェブサイトにも当てはまる。昨年あたりから、今のインターネットのウェブサイトの世界を『Web2.0』と呼称する風潮が、アメリカを中心にある(解説)。解説から孫引きすると、

今はWeb2.0と称されるインターネットの第2世代の発展段階にあり、RSSが先導役を果たしながら、BlogやSNS、CGM等々のムーブメントが一つに融合されて、真の意味で個々人のパーソナライゼーションニーズとエンパワーメントを具現化する方向に向かいつつある。

このWeb2.0を考えるとき、僕の漠然とした勝手な予想として、Flash+3Dがキャスティングボードを握るような感じがする。ADSLよりFTTHがベターという前提で、例えばショッピングサイト。

ショッピングサイトをCMSで構築し、買い物カゴや商品表示はFlash、決済システムには、PHP+MySQLを利用する。ユーザーは、立体化された欲しい商品を"買い物カゴ"にマウスでドラッグするようなイメージ。決済はPHP+MySQLなので、過去の購入履歴を含めた顧客属性が生データとして蓄積でき、加工も可能。さらに、MySQLで在庫管理もする。

このCMS+Flash+PHP+MySQL(=CFPM;勝手な造語)をパッケージ化したオンラインショッピングサイト用商品をベンダー各社は、リリースするんじゃないかと。すでにあったりして(ォ。調べてないからわからない。

だったら、SOHOやオンラインだけで勝負しているサイトのオーナーが、CFPMによる自前のシステムを用意できれば、我流の使い勝手のよいものも創作できるだろうし。現に、そういった毛色のオーナーはいる。

また、オンラインの外向けだけじゃない。Web2.0+Flash+PHP+MySQLを上手く絡めれば、社内LANのクローズドネットワークでも十分に活用できるソフトが期待できるんじゃないかな。マニュアル・業務報告・ワーフフローなんかをいっしょくたにしたグループウェアな統合環境。サイボウズなんかそれに近づきそう。とはいっても、昔から言い続けられているように、使い手のリテラシーの課題は残るけど。

ただね、餅は餅屋なところもあるわけだけから、過度に傾斜するのはよくないのも事実。

にしても、ウェブサイトの構築を生業としているからだろうけど、プログラミングできる人には、イチニもなく羨望のまなざしをむけちゃう(笑)。ただ、一言つえくわえておくと、IT系雑誌に登場する「こんなSEはいらない」的杓子定規なPGは別ネ。

デザインでもプログラミングでもスキルをもたない僕のような中途半端な輩は、「何かを創造するときの壁」を痛感するシーンに、しばしば直面する。ダメだね、ホントこのままでは。センスはいかんともしがたいかもしれんけど、デザインのテクニックを身に付けるか、プログラミングを習得するかとか思慮をめぐらす。はたまたFlashかとか。

そこで、また違う考えというか、「シンクセルを会社としたら」って考えもよぎる。すると、自分は社長なわけで。だからデザインができる人、プログラムできる人、ウェブを制作できる人を採用するほうに注力して、僕自身は、磨きをかけたいウェブサイトを起点とした経営の助言業務と営業に注力するというのもアリなのかと。それには、はるか途方もなく稼がないといけない、などなど。悩みというか思いはつきないわけで。

ものすごい勢いで話題がそれた、スミマセン。

PG以外の専門職の方自身がシステム開発できるスキルをもっていると、時として生産性の高いオリジナルのシステムを創出できる魅力をあらためて納得しつつ、自分ももう一度、「PHP+MySQL」を学習しようかと自己高揚感にかられたみたい。がんばろうっと。