歯科は4,000万円、医科は8,000万円

昨日、名古屋の名南経営センターグループのひとつ株式会社イーコールが主催した「ドクターが求める会計事務所の役割とは?」に参加。内容を詳細にアップするのは???なんで、またご興味がある方はお声をかけていただければ幸。

ところで、セミナーに参加するといつも両眼で眺めるようにしている。右目は「内容(コンテンツ)」、左目は「話し方(テクニック)」。で、これをまとめると

  • 上: 非常に参考になるセミナー コンテンツもテクニックも○
  • 中: ふつうのセミナー コンテンツかテクニックのどちらかが○
  • 下: 参考にならないセミナー コンテンツもテクニックも×

今回はというと、中の上の下ってところ(笑)。一つだけコンテンツで参考になったのは、「国民医療費から算出された歯科と医科の収入」を教えてもらえたこと。

医療費30兆円から算出される1医院あたりの年間収入
  医療費に占める割合 医療費 診療所数 年間収入/1医院
医科 23.7% 7.4兆円 約95,000件 約8,000万円
歯科 8.3% 2.6兆円 約65,000件 約4,000万円


この結果をうけて、名南経営は明確な戦略を打ち出しているらしい。まぁ、これをパッとみて、B/Sが頭に浮かべば、歯科が医科に比べて収入が半分なんつーことよりももっと大変な事態になりつつある、真綿で首をしめるような感じじゃないかなぁって。

実際、名南経営も両者に対する明確な戦略を打ち出していて、セミナーではその戦略にもとづいて開発されたシステム記帳代行サービスの説明がつづいた。目をみはるローコストでも、詳細な財務と医療データがアウトプットされるサービス。徹底した客観的数値から原因分析にはいる姿勢には脱帽、それに周辺サービスも至れり尽くせり。ただし、院長先生が能動的にシステムを使うかどうかは別問題。

まぁ、僕の中では目新しいことは何もなかったので、右目は閉じて左目を開けて、中身はスルー。

後半は、会計事務所が求められる役割について説明。なかでも「クリニックにおける収入アップ支援の具体策」に期待したんだけど、イスからころげおちそうになるのをこらえながら聞いていた。

ひょっとすると

  • 演技ではないのか?
  • 裏に何か隠された意図があるのじゃないか?
  • 新手の営業か?

って思えたぐらい。ポイントは3つ。

  • 「患者が口コミしやすくする」
  • 「患者へ啓蒙する」
  • 「顧客満足から顧客感動へ」

このへんは、某大手経営コンサルタント会社が歯科向けにサービスを展開している内容と同じ。みんなやっぱりいきつくとこは、似たり寄ったりだね。

同じというのは、立ち位置。「会計事務所にしろコンサルタント会社にしろ毎月会って話ができるという強みを活かして、医院経営の成功事例を紹介しながら積極的な助言業務をしよう」ってところ。すみません、長すぎた。

つまり、顧客(医院もしくは院長)だけをターゲットにしている。でもね、思うんだけどな、「顧客の顧客は?」。つまり医療消費者の存在は?

だから、僕は違う位置に立ちたいって一心でやってる。「顧客」と「顧客の顧客」との橋渡し。それのインターフェースがサイトだったり、IT。ときには、アナログ。インタビューでもよいし、カウンセリングでもよい。それには、まず社会的地位が必要だから大学院にでもいって肩書きをとってこないといけないし、理論も学ばないとね。

まぁ、名南経営や某経営コンサルタント会社は、規模も大きい分、ノウハウもたくさんあるかと。それに精鋭部隊がそろっているだろうから、医院向けコンサルティングに特化して、経営助言業務や接遇研修、人事コンサルティングをやるほうが、効率よく収益をあげられるし。

だからこそ同じテリトリーで勝負するのは難しいなぁって、改めて痛感。やっぱり自分の立ち位置を信じてやるしかないか。

それでも勉強になったのは、今の自分のノウハウをきちんと体系化して、パッケージにして商品にしなくちゃいけないなぁって。でないと、広告をうったり、営業をするにも、相手に伝わらないし、理解も得られない。ネーミングもね。

こうやって試行錯誤していくのが、マーケティングなんだなぁって飲み込んだ。