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[Review]: ホスピタリティがお客さまを引きつける

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ホスピタリティがお客さまを引きつける―サービス・ロボットからハートに満ちた人間へ

『ホスピタリティがお客さまを引きつける―サービス・ロボットからハートに満ちた人間へ』 浦郷 義朗

「サービス型社会からホスピタリティ型社会へ」を論点に、ホスピタリティ型社会の解説とそれに適応するための企業のあり方を処方している。勝手にふざけた一言集約すると「エンパワメントされた人(社員)とビジョンをもつ企業のナイスな関係」かと。著書の解説とおりに企業も人も到達できれば、顧客に支持されること間違いなし?!

20世紀末までの日本社会は、タテの人間関係をベースにした「サービス型社会」。しかしIT化・グローバル化によって、今や「個の時代」を迎えようとしている。社会が多様化・複雑化した個の時代はヨコの関係が重要。ヨコの人間関係をベースにした「ホスピタリティ型社会」

ホスピタリティ型社会になると、今までの「顧客」を個別のニーズを持つ「個客」という認識に改め、社員は自己実現を目指す自律した「個員」として行動しなければならない。組織は、社員が「個員」になるように環境を整備しなければならない。

  • まえがき
  • 第1章 企業は生き残れるか
  • 第2章 21世紀は企業に何を求めるか
  • 第3章 顧客が求めるものは、夢、感動、幸福である
  • 第4章 企業の「見えざる資産」とは何か
  • 第5章 サービス型社会からホスピタリティ型社会へ
  • 第6章 ホスピタリティ志向型組織には、何が必要であるか
  • 第7章 ホスピタリティ・カンパニーにとってEQは
  • 第8章 組織の改革に人為的突然変異が必要である
  • あとがき

本書は、各章の冒頭に1ページの図式が添付されている。内容は、「サービス型社会(従来型)」と「ホスピタリティ型社会(21世紀型)」を比較したもの。一例をあげると、第1章 企業は生き残れるかの冒頭には

  1. 組織の主役: 経営者or管理者 → 従業員
  2. 環境適応パターン: マンモス型(大きいことはすばらしい) → カメレオン型(小さいことは美しい)
  3. 人間への関心: 人間性無視 → 人間尊重(人権重視)
  4. 共生の種類: 寄生or片利共生 → 共利共生
  5. 地球環境への対応: 環境破壊 → 環境に優しい
  6. 社会へのタイプ: 大量消費社会 → 必需品なき消費社会
  7. 取引の次元: 価格と品質 → 価格と品質+時間と空間+心
  8. 幸福の条件: モノに満たされていること → 心が満たされていること

→の左辺がサービス型社会で右辺がホスピタリティ型社会。図によって集約した意味を各章で解説していく。

そのため、「ホスピタリティ型社会とはなんぞや?」という問いに対する解が一言で述べられていないうえ、定義が広範囲にわたっているから、理解しづらい側面もあるかと。

印象の残ったのは、第7章の「ホスピタリティ・カンパニーにとってEQは」、従業員の教育・訓練よりも選抜に資源をもっと投入すべきだという主張。

そもそもホスピタリティというのは、必ずしも教育や訓練によって育成されるものではない。クオリティの高いホスピタリティを求めようとするならば、そのような素質を持った人材を最初から採用しておいたほうが賢明である。(同書 P.172)

これは、ビジョナリー・カンパニー2だったかの「バス停」の話と同じ。企業にとって「人」は何よりの財産だけど、ホスピタリティ・カンパニー(もしくはビジョナリー・カンパニー)になるなら、”素質”をもった人を採用、もしくはふるいにかけろと。

筆者は、大企業の偏差値重視の採用方法を批判し、もっと面接をはじめ定性的要素を重視した採用方法に注力しろと提案。

筆者の主張は、確かに一理ある。また疑問もある。それは、「大企業はより欲張りになっている」のじゃないかと。というのは、今までの採用をタイプでわける(独断と偏見)と、

  1. 偏差値重視(=学歴優先)
  2. 偏差値平均(=一般選抜)
  3. 偏差値重視+ホスピタリティ・マインド重視(=小数精鋭)

筆者は、今でも1.だと批判する。が、果たしてそうなの?

僕は3.じゃないかと愚見する。偏差値重視は変わらずに、さらにホスピタリティ・マインドをもった人を求めているのじゃないかな。1.がダメだからといって何でもかんでも門戸を広げているわけじゃないと思う。

一方で、3.や2.のなかでホスピタリティ・マインドやアントレプレナスピリッツ(シップ)をもつ人たちは、ベンチャー企業へ就職したり起業するから、大企業と人がマッチしにくい採用市場になっているっていう結論はどうだろ。

前にもふれたけど、「偏差値・学歴」それ自体が”悪”だとは、個人的には思わない。まぁ、僕の妬みと憧れが多分に含まれるとして、やっぱりそれ相応の努力をして入学(内部進学は別ね)したわけだし、知性をそなえる準備はできていると推察する。

問題は、学歴を身にまとった瞬間から思考を停止し、人のつながりのための修養を積まなくなるからじゃないかと。寄らば大樹の陰という願望もあるかもね。

話がそれたついでに乗じると、この第7章は、なにも企業だけでなく他の組織でも通じる話。というのも、僕がファンでもあり、僕の顧客でもある、2つの歯科医院をお手伝いしていても感じる。著書に登場するマインドや素質を備えている人だからできる言動が、スタッフのみなさんにあるなぁってね。

それには、人並みならぬご苦労が院長先生にあるだろうなって。他の顧客では、そうはいかないのが、肌で感じるからなおのこと感嘆してしまう。

そろそろ話をもどさないと。あと、参考文献に目を通すと得心できたけど、今までの著名なビジネス書のエッセンスを抽出し、「ホスピタリティ」を言説するために、うまく加工している。34冊の参考文献のうち代表的なものとして、

『未来の衝撃 (中公文庫 M 178)』 アルビン・トフラー

サービス・マネジメント

ルネッサンス ― 再生への挑戦

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

EQ こころの知能指数 (講談社プラスアルファ文庫)

『トム・ピーターズの経営創造』 トム ピーターズ

ホスピタリティと観光のマーケティング

サービスが伝説になる時―「顧客満足」はリーダーシップで決まる

真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか

などなど。というわけで、参考文献を読んだ人には、体系的に復習するにはいいかも。

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2 Comments

  1. そうですよね、深いですね。頭がもっとよかったら理解も深まるのだろうなぁって嘆きました、難しかったです(泣

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