小泉首相へのリップサービス?それとも真の理解者?

郵政民営化関連法案を「政局」として報道したがるマスコミに辟易する毎日。まぁ、しがない自営業はラジオやNHKで審議の様子を見聞し、なるほどと首を縦に振っている(あくまで上っ面だけど)から、民法の報道はスルー。だから、解説してくれなくてもね、マスコミさん(棒読み)。

さっきYOMIURI ONLINEの「成否案じる心情、首相が吐露…奥田経団連会長はエール」を一読して感嘆。相変わらず独特のレトリックで世間に冷や水をピシャッと浴びせる日本経団連の奥田碩会長。どこまでが本心か腹蔵なく話さない、「雄弁のような沈黙」なところが香ばしい。

これに先立って記者会見した日本経団連の奥田碩会長は、郵政民営化に挑む首相に対し、「行動力も実行力もある。人の思いつかないこともやる。こういうことを理解して評価するべきだ」とエールを送った。奥田会長は「『自民党を崩壊させるために首相になった』という発言を数回聞いた。小泉さんは言葉は短いが、言ったことは必ずやる。『起こりっこない』とか『できっこない』とか思っていたら裏切られると考えていた方がいい」と自民党内の反対派にクギを刺した。


郵政民営化関連の資料をあたると、成功事例として必ず登場するドイツポスト。DHLを買収し、今や国際物流戦争に名乗りをあげ、世界一の座を目指してFedExやUPSとしのぎを削っている。これら三社の売上高や保有機材の規模に腰をぬかす。

小泉首相が郵政民営化を訴えたとき、ドイツポストをイメージしていたのか、はたまた世界規模の貨物航空会社の誕生を夢見ていたのかなんて、自分にはワカラン。

それでも、「利用者の利便性」を糧に反対している議員や郵政族、特別郵便局長なんかの言い分を聞いていると、「利用者保護」以外の視点で何が違うのかなぁって考えてしまう。で、愚考した結果、でてきたのが「ビジネスマインデッドな公務員であるかどうか」。

小泉首相に、ビジネスマインドがあるかどうかはわからんけど、日頃の言説を拝聴していると、「行動してから考えよう」的ポジティブ思考の持ち主かと。少なくとも、「考えてから行動しようかどうか考えよう」的ネガティブ思考はしない・できないかと。

「破産のリスクも承知で開拓するか」と「穏やかな衰退を保護するか」の真っ向勝負。ただ、平等ではなく公平、感情ではなく論理を携えて議場に登壇する議員が少ないようにお見受けするのが残念。みなさんクレバーな方なのに(泣

そんな中、世界一の背中が見えてきたトヨタのドン、ある意味日本株式会社のドンである奥田碩会長が、今回のような援護射撃をした背景に、『財界は「市場原理にゆだねる小さな政府をめざす自民党」を支持するよ、わかってる亀○さん』って声があるのかなぁって穿った。リップサービスでないとしたらね。

どこか相通ずるビジネスマインドがあったのかな。機を見るに敏な人同士のような感じもするし。小泉首相の真の理解者!?

ちなみに、ワタクシは郵政民営化は賛成です。財政投融資にメスを入れる意味もこめて。がんばっていきまっしょい(最近のマイブーム)。