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考えあぐねる事業主

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前回のエントリーに続き、独善的告白。今回は、経営の「観」について言及するのでご容赦願いします。また、顧客の方々がご覧になっているのを承知で述べています。

昨日、ウェブサイトの打ち合わせをしたのち、食事をご一緒させていただいた。サイトの常連の方ならピンとくるかもしれないが、濃密なコミュニケーションの時間をとっていただいているお客さま。以下、顧客と呼称させていただく。

また、この一ヶ月以上お会い(診療と研究活動に多用を極められているのかな)していない方で、先の方と同じく、打ち合わせや食事の場で「考え、意見、目標、悩み」などを拝聴している。だから、お二人の人柄を自分なりにつかんでいるので、「思い入れ」も強い。

そして、昨日、次の話をいただいた。

「今のメインテナンス料の倍を払っても高いと思いませんよ。当然、倍の仕事の量をお願いしますが。それは、チャンスロスを少なくしたいからです。例えば、今月お願いする分量を、いつもの数倍にしたなら、シンクセルさんから、『今月、ウン万いただけますか?』と言われても平気ですよ」

若干、言葉の差異はあるが、概ねこのとおり。

自分を卑下するつもりは全くないのだが、頂戴した言葉は、僕の評価に対する期待値ではなく、顧客の利益をもたらすための期待値だと受け止めている。「自分の存在価値を尊敬する方から教わる喜び」でもふれたが、「自身の繁盛のため」という視点が、僕はとても嬉しい。だから、その期待に応えるスキルと体制を構築できていない自分が、はがゆいし、精進しないといかんと奮い立たせる。

ところが、ここに矛盾を抱えている事業主の自分がいる。

もともと固定収入の性質の強い業務に従事していたのもあって、その反動から、「成果の請求」を心がけてきた。ありていにいえば、「やったら請求する。やってなければ、請求しない。(「請求しているからやる」も承知)」。何を寝ぼけたことを言っているのだとお叱りをうけるが、固定収入を前提にしていると、その当たり前が麻痺してしまう。

—–閑話休題—–

誤解を招くと困るので釈明すると、固定収入の性質が強いからと言って、感覚が麻痺するのは、自分だけの経験値。そんなこと我関せずで、新規顧客を開拓したり、固定収入+αを獲得する人もゴロゴロいてました(笑)

メインテナンス料は、更新しなかったら請求しない。無理矢理更新するのは、本意ではないから、あくまで、先方のウェブサイトにかけるモチベーションやエネルギーにまかせている。

一方で、シンクセルの顧客になっていただいたからには、「同じ単価で同じ作業量とサービス」をと考えていた。

ここに矛盾がある。

顧客のみなさんは、此処の自身の状況にあわせてサイトに対するエネルギーを自己決定されていく。そのエネルギーの量は千差万別。もちろん、モチベーションを膨らませていくアドバイスはするが、個人差は生まれる。

それらの顧客の方々に対して、「差別化」すべきかどうかについて答えを出しあぐねていた。競合他社に対する差別化を実行しても、シンクセルの"中"での差別化は図っていなかった。それは、顧客数が手に負える範囲だからという理由もあると思う。

しかし、今回のような嬉しい提案を先方からしてもらうと、もっとシステマティックに商品やサービスを構築し、「個人事業主だから自分のなるようになる」という、"甘え"を断ち切らないといけないと反省した。

正当な成果を求められるのであれば、見合った対価を払うという姿勢の顧客に対して、「その顧客の利益を逸している」という視点を忘れてはいけないのだと。

正直、開業してから、「マーケティング」や「ブランディング」というタームの意味が、身にしみて分かるようになってきた。凹でいないが、まだまだ考えあぐねる悩みは多く、一つ一つ解決していかなくてはいけない。

  • 経営の三大要素、「ヒト・モノ・カネ」の悩み
  • ナイナイづくしであるのは情熱だけの創業期
  • 数字は嘘をつかない、しかし、数字を使う人間が嘘をつく

いずれも、過去に教えを請うた言葉。その言葉が、事実となって初めて氷解し、現実の悩みに化ける。悩み続けながらでも、次の言葉を希望として念じたい。

「一隅を照らす、ささやかな燭台であり続けたい」

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2 Comments

  1. ありがとうございます。まだまだ大胆になれていませんので、心してかかります。

  2. ハイディ says on 2005.08.03

      

    「創業は大胆に、守成は小心たれ。」

         〜 岩崎家(三菱)の家訓より 〜

      

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