アクセス数自体が目的ではなく口コミを可視化する

NikkeiBP: 入門「ブログマーケティング」事例1:宝酒造

今年5月23日に開設したブログサイト「なんでも健康博2005」では、健康飲料・食品分野に関連した身近な情報を取り上げて、商品の持つ新たな魅力を引き出しアピールしようとしている。

まだまだ発展途上中の感じがする「なんでも健康博2005」ですが、これからどのように進化していくのか注目したいところです。現在、

  • ショッピングモール
  • お酢の力パビリオン
  • ヘルシーバービー館

の3つのブログを開設して更新中で、近日中に「大豆の力パビリオン」がオープンするそうです。ブログを開設して

ブログにアクセスする利用者の数を1日1万人に増やすことは目的ではない。サイトを見た人が、その内容を友人などに話す。宝酒造が発する情報が口コミで広がっていくことを重視している

ウエートを置いている点に共感しています。ブログは、読者数に一喜一憂したくなるのもわかる不思議なマーケティングツールですが、むしろ、「ブログのコンテンツ」が"口コミ"によって他者に広がっていくことで、「いつも○○がその人のどこかにある状態」がブランドを形成していくのではないかと思っています。

宝酒造は、ビネガードリンクを作っているものの、酢や単体の黒酢は商品として販売していない。「けれども、教えてもらったレシピを試しに自作したところ、おいしかった」と加曽利氏。早速、画像も付けてサイトにアップした。「商品の売り上げに結び付く情報ではないので、販促支援にはならないかもしれない。けれども、読者層である主婦の関心が高いのはそうした情報だ」という

「30〜40代の主婦層で、家族の健康維持・増進に非常に気を遣う世代」をターゲットにしており、それらの方が気になる情報が掲載されています。その際、極力、自社商品の売り込み色が強くならないように注意し、あくまで健康増進に関する有益な情報を充実させるため、ブログを使ってどのようなコミュニケーションをおこなうか試行錯誤しています。

確かに、ブログは更新しやすいうえ、検索エンジンとの親和性が高い利点もあって、商品説明サイトの構築には魅力的です。しかし、本来ブログがもつ特性を考えたとき、以前のエントリーでも述べたような、

『「ビジネスブログ」として何かしら”営業”に役立てたい動機はあるが、先に立つのは、自分の商品に対する「情熱」になる。その「情熱」をもってブログを書き続けることで、読み手が共感してくれる。』

効果を期待して、「コミュニケーションツールのサイト」として利用するほうがいいのではないかと思います。

9月25日に終了する愛知万博を見計らい、「なんでも健康博2005」もそれとともにいったん閉じる予定だ。ただ、やめるタイミングの難しさも感じている。東京三菱銀行が3カ月間ほどで「BizSTATION」のブログを閉鎖した後、終了の理由を問う書き込みが集中したからだ。加曽利氏は「普段、コメントやトラックバックが少なくても、見ている読者はかなりいるのだな」と驚いたという。

今後は、効果測定に課題を残していますが、期間限定のため、愛知万博の終了とともに、一旦サイトを閉鎖することが決まっているそうです。

東京三菱の事例は、コンテンツを「小さく生んで、大きく育てる」ための脆さが如実に露呈した格好となりました。大手企業は、コンテンツを最初に揃えて更新頻度の手間を削減する「完成型サイト」を得意としても、「育成型サイト」は苦手としているのではないかと思います。

反対に、「育成型サイト」を構築し、大手や中堅企業と差異化を図り、急がば回れであっても、口コミを育てていけるかに、中小零細企業や個人サイトの成功の鍵があるのではないでしょうか。