日本版大統領選かな

否決された。「ギリギリまで攻防して最後は僅差で賛成」って意見が散見されたので、結果をケータイで読んだときは、少しのけぞった。2005年8月8日午後7時衆議院本会議、日本国憲法第7条によって衆議院を解散するだって。すわ、総選挙。自民党は「郵政解散」、民主党は「日本刷新解散」。

参院で否決されて衆院が解散はおかしい、という意見も聞くが、いかがなものか?無知を承知でノーガクと、「行政府を立法府が監視する機能」が正常に作動して、むしろ健全な方向ではと、自分はひねくれた。

米国の場合、大統領権限が強固なため、行政府と立法府の分権が厳格だという話を側聞したことがある。さらに、日本と違い司法の独立性がより堅牢だと。

なんつうか、参院であったところが香ばしい。個人的な暴論を吐くと、極東ブログさんに同調する。

これに放言を足す。私は参院は基本的には国の未来の決断を問うとき、不要だと考えている。しかも、参院は国民の一票が不公平に配分されたままであり、国民の良識を代表しているとはいいがたい。もちろん、コンサルト的な意見を出すという意味はあるだろうし、それが今回予想される否決であるというのを認めないわけでもない。

米国の大統領制度(良いか悪いかは今は別として)と違い、執行権をもつ国家機構を直接選択できないわけだから、今回のような形で「疑似大統領選を意識した!?」みたいな解散も賛成。

民意を問えばよいな。政治空白を作るだけの価値はあるのでは。「郵政民営化」というよりも「官から民」への賛否。喜んで受けて立とう(笑)

さて、立候補予定の先生方は、さっそく地元へトンボ帰りして選挙準備に奔走。今回の選挙の争点は、「郵政民営化=官から民」であり、これほどシンプルでわかりやすい争点は過去にないと解説する人もいれば、「郵政民営化」だけが争点でないと主張する人もいる。

日本経団連の奥田碩会長が注文をつけたように、何を争点するかは各政党の自由。何より僕自身が何を争点にして投票するかしっかりと考えないとな。

「内閣が最も重視する法案が否決され、衆議院の解散に至ったことを憂慮している」とのコメントを発表。衆院選に向けて「郵政民営化だけでなく、社会保障や税制の改革など構造改革全般にわたる各党の姿勢が問われる」

と言いつつ、腹は決まっている。問題は、「選択する政党はあっても、立候補者がいない」という"ねじれ"が生じないかだけ。それが杞憂。「人で選ぶ」という政党政治と矛盾する側面をもつ日本の選挙思想も問われているのかな。+α、頭が悪い僕のために、選挙を解説する評論家を解説する専門家を求む(笑)

あとは、争点が一つだけでないという論理から、争点を上手にぼかすレトリックだけはご勘弁を。まぁ、何が何でも当選しなきゃ始まらないのはわかるけどね。

ところで、参院反対派の報道向けコメントは、大半が「政治手法」に終始していたような。かろうじて、「郵政ネットワークの維持が疑問」ぐらい。先述の極東ブログさんが指摘する「金融事業」について、対案を含めた反対理由を明確に述べている人を発見できないところに、僕のウォッチ力不足も露呈しつつ首をかしげる。

問題は、郵政がこれまで行なってきた貯金と保険の二つの事業、つまり金融部門を政府から独立させるかどうか、その一点だけだ。郵便事業やネットワークといったことはどうでもよい。

解散の間際まで「金融事業」について、納得できる反対の意見と対案を拝聴できなかったようなので、どんな見解があるか今から調べてみよ。

最後に、選挙のもう一つの視点について。ある報道番組で亀井静香氏のコメント映像が紹介されていたけど、選挙とは、僕がここまで書いてきた青臭い建前論ではなく、心理戦・人間臭さの戦いだなぁってあらためて感嘆した。だって否決前と否決後の声のトーンが全く違う。

否決前はかの特徴ある声で舌鋒鋭かった。否決後は、批判はすれどかなりソフトな声色。やっぱり公認が得られんのは打撃なのかね。それとも誤算なのかね。算段がつけば元の声に戻るのかね。ホント、勉強させてもらっている、ありがたい。

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