団塊世代がITで困っていること!?

NikkeiBP: 団塊世代のインターネット活用(2)

総務省の平成16年「通信利用動向調査」の結果(PDF)によると、50歳以上の個人のインターネット利用率(2004年末時点)は、

  • 50~59歳: 65.8%
  • 60~64歳: 49.0%
  • 65歳以上: 17.5%

特に60~64歳の伸びが前年比で大きくなっているようです(前年比10ポイントアップ)。また、50~59歳の団塊世代は、会社でパソコンを使い始めている一方で、公私のパソコンを分ける傾向にあり、その背景もあって個人のインターネット利用率も増加しています。

50代以上のパソコンとインターネット利用は、「使える」段階を越え、「活用する・楽しむ」段階に入りつつある。だだし、利用者がどんなレベルであっても、トラブルや疑問は起きる。また、自己流で覚えると、実はよく分かっていない部分も多かったりする。会社にいれば、若い社員や担当部門に聞いて解決できたが、会社を離れてしまうと、教えてくれる人もなかなか見つからない。

シニアがITで困っていること?には、興味深い調査結果が掲載されています。インターネット利用経験4年未満と4年以上とに分けてみた場合、

  1. 4年未満の経験者が困っていること: 「PC初期化や迷惑メール対策」など基本的要素
  2. 4年以上の経験者が困っていること: 「DVで撮影した動画編集や家庭内LAN」など応用的要素
  3. 両者共通の困っていること: 「ホームページの作成」

3.が注目すべき点で、団塊世代の関心は情報収集もさることながら、情報発信にもあるようです。団塊世代の情報収集と発信に着目し、昨年あたりから、シニア向けのコミュニティサイトがあちらこちらで開設されています。

私は以前から、この団塊世代を「心に余裕ある消費旺盛世代」と考えています。子育て真っ最中で苦労されている方もたくさんいっらっしゃいますが、反面、すでに子供が独立していて、大企業勤務や退職された方を中心に「富裕層とまではいかなくても、消費に回せる所得や貯蓄が十分にある」人が多いように思います。

たとえば、昔あこがれていたけど手が出なかったモノ(懐古的商品)や第二の人生を過ごすための趣味に関連する商品やサービスが人気です。

2007年から団塊世代の大量退職時代がやってきます(=2007年問題)。技術やノウハウの継承が断絶している問題も指摘されていますが、一方で、終身雇用によって得られる”退職金市場”をターゲットにする絶好のチャンスという意見もあります。

今後、これらの市場に着目し、インターネットでどのようなコミュニティが形成されているか動向を注視していく必要もあるのではないでしょうか。