混乱か混沌か#1

「地方vs都市」の構図。これは以前から指摘された選挙の視点。今回の選挙を、「自民党保守系右派」「自民党保守系左派」「民主党保守系右派」「民主党革新左派」の4つにわけて、シンプルに捉まえている。そのうちの自民党保守系左派(自認しているかは別ね)の一部が、飛び出して国民新党を結成したんだよねっていうのが僕の見立て。

斜に構えた見方をしたら複雑怪奇な背景を想像しちゃう。それでも、まぁ、国民新党は地方政治重視を理念にしていると着目していた。蛇足として「都道府県議会と行政による財源移譲後の自立型地方政治」ではなく、「国会議員による財源移譲後の利益誘導型地方政治の確保」が目的だろって懐疑しているけど。ひねくれすぎ?

ともあれ、「地方重視」も政策の選択肢の一つだって得心していた。矢先に表のドンが「もう一つ新党結成」なんて宣うから、開いた口が塞がらなかった。

自民党の郵政法案反対派の前職らが、国民新党(綿貫民輔代表)とは別の新党結成を模索していることが20日、分かった。地方の保守層に支持基盤を求める国民新党に対し、党首に知名度の高い人物を据えることで、都市部の無党派層の取り込みを目指す。ただ、「顔」となる党首探しが難航しており、実現するかどうか微妙な情勢だ。

これじゃぁ「混沌」じゃなくて「混乱」だろって。国益を見据えた理念と政策じゃないよな。人の嫌悪による感情だけの烏合の衆。

僕は、疑似二大政党制へとゆるやかに移行し、責任与党と対案野党の政策政治を一度体験してみてはどうかと考えている。賛否はあれどね。そのための「混沌」を受け入れるのはやぶさかではないが、「混乱」は一有権者&一納税者としてはご勘弁。

ビジネスの世界で、"経営は「混沌」を歓迎し「混乱」を忌避する"といわれる。料理で例えちゃうと、カレーを作ろうとして、食材や調味料をそろえたり、調理方法を検討したりするのが、「混沌」。さじ加減一つで、いろんなカレーを創造できる。

一方、必要な食材すらそろえられず、調理方法はトンデモ系、おまけに味見をしても「ウン、よくわかんない(舌が麻痺している)」。そんな状態を「混乱」。何も生まれない。

「混乱」と「混沌」、いずれも招くのはヒトだっていうのは至極承知。そして、その根底にあるのは東洋文化らしい「関係性を重んじる思考」にあるのかなぁって邪推。というのも、「サルとパンダとバナナを二つのグループに分類して」という問いに対して、東洋人、とりわけ日本人は、「サルとバナナ/パンダに分ける」なんて実験結果がある。欧米人や一部の東洋人は、「サルとパンダ/バナナ」。

その関係性が、人情と呼ばれ、尊ばれているのか。

党岐阜県連の坂志郎総務会長は「今まで一緒に泣いたり笑ったりしてきた人が、佐藤さんに乗り換えるわけはない。岐阜の人はそんなに人情は薄くない」と言い切った。

これが日本の本質だと誇りに思う反面、焦燥の感に駆られる時もしばしば。こと政治については、そろそろ「サルとパンダ」的思考でもいいんじゃないかと思う。そして、「混乱」であれば排除だし、「混沌」であればウェルカムして克服だ。

義理・人情を全面にだしたり、金で解決できると豪語したりもいいけど、もっとなんというか、「要領の悪いバランス」もあっていいんじゃない。IT業界人らしく言うなら、アナログだけ、デジタルだけもいいけど、やっぱり、「遊び心のデジアナでしょ!?」って感じ、ああ、ナニ言ってるのかグダグダになってきた。

青臭いのかな、ヤッパリ…..orz。