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混乱か混沌か#2

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混乱か混沌か#1の続き。「地方vs都市」の構図は、利益誘導型政治の申し子なのか、江戸時代からの産物なのか?アカデミックな考察は識者にゆだねるとして(笑)

報道のなかで「もっと地元のことを考えるヒトでないとねぇ」とか「あの人は地元じゃないから」っていう回答を聞くと、「エッ!?」て思う。だって、それって都道府県議会議員の仕事やないのって。そんなわけで僕は、国政の落下傘候補に対する懸念をもっていない。

悪玉的表現なら「利益誘導型政治」、善玉的表現なら「地方政治」、表裏一体なんでどっちでもいいけど、個人的には、小選挙区比例代表並立制が導入されてから、変化を感じ始めた。ただし、観念のなかに閉じこめられているから、変化の一コマずつなら単語にできる程度。悲しいかな、一つのセオリーを構築できるセンテンスになっていない。言葉がわからないから探している途中…..orz。

前置きはさておき、小選挙区比例代表並立制についての変化を整理しようと、「小選挙区制の母国」と言われる英国との違いを調べてみた。結果、一番わかりやすかった資料をピックアップ。

要約すると、次のとおり。ただし、マニフェストについてはふれないのでご了承。

  • 英国の有権者が投票の際に重視するのは、候補者の所属政党やその政策
  • 候補者個人の人柄や選挙区へ利権をもってくる「実力」ではない(「わが党の候補者であれば、たとえ豚が立候補しても投票する」なんてジョークがあるほど)
  • 選挙期間中の候補者の活動内容は、有権者宅への戸別訪問やチラシ配り、電話勧誘といった比較的地味な活動(候補者個人の選挙カーを見ない)
  • 訴える内容は、所属する政党のマニフェストであり、「選挙区内に橋や道路を建設します」といった「候補者の個人的公約」ではない
  • 国会議員による選挙区への利権誘導をしにくい仕組みがある
  • 「地盤、看板、かばん」がなくても政治家として有能であれば主要政党から立候補できる仕組みができている

国会議員による選挙区への利権誘導をしにくい仕組みは、

  1. 英国では国会議員が官僚と直接接触することが原則として禁じられている(官僚の政治的中立性が維持されている)
  2. 地方財政の枠組みが、補助金獲得に向けた国会議員の介入の余地をほとんど許さない
  3. 選挙費用に関する規制が、政党本部を主体とした選挙戦を想定している(各候補者の選挙費用の上限は、日本円にしておおむね130万円程度で、政党本部の選挙費用は制限なし)

資料に目をとおすと、上記のような選挙体制を可能にしている根底にマニフェストがあるのは、理解できる。まぁ、マニフェストの本場でも「美辞麗句が多くて役に立つ情報がない」なんて批判もあるらしいけどね(笑)

あと、この資料以外にも、「英国では地元で立候補するには制限がある」といった説明も読んだ。ただし、それが英国の選挙法に記載されているのかどうかまでは補足できていない。

僕が注目した一番特徴的なのは、「金」。選挙費用や地方財政、社会整備資本など随所に「金の縛り方」の妙がある。本質を突くといういか、合理的というのか、ロジックがちりばめられているシステムだ。あっ、でも誤解のないように揚げ足とると、「金ですすべてが解決できる」とは思っていませんので(w

たとえば、3.選挙費用の設定の理由は、所得の多寡や世襲にとらわれない有能な人物を創出するのが目的だ。長くなるけど、興味深いエピソードを紹介しておく。

筆者がインタビューをした保守党候補者は、30代前半の銀行員であり、特に富裕層というわけではない。130万円程度の選挙費用は寄付などによって賄われ、自己負担は一切なかったという。 しかも彼が行った活動は、選挙の1年前から休日にボランティア活動に参加するなどして地域とのつながりを深めたものの、選挙期間中は、わずか3週間の有給休暇を取ったのみだという。 結果的に彼は落選したが、驚いたことに選挙後には有給休暇前と同じ銀行業務に戻った。 日本では、有給休暇中に選挙戦を闘い、落選後に職場復帰することなど、まず考えられないのではないだろうか。

こんな人が登場する背景には、システムはもとより、有権者の政治に対する姿勢の違いが、あるのかもしれない。国民性と括れるかどうかは疑問だけど、「選ぶ側の責任」も問われているのかな?

一方で、僕も今回の選挙で感じているが、「政党本位・政策本位の選挙戦の課題」もあるらしい。

  • 2大政党がパッケージで提示する政策が、民意をとらえることが難しくなってきた(有権者の価値観が多様化し、利害が複雑になっている)。
  • 小選挙区制を採用しているため、民意が議会に必ずしも適切に反映されているとはいえない(議席は過半数でも、得票率は第二政党)。
  • 比例代表制の問題点として、連立政権が樹立する可能性が高い。よって、各党とのマニフェストを調整する結果、民意と乖離する。

似たような問題が、日本でも生じていることを考慮すると、最適な選挙制度を構築するというのは、国家の一大事業なんだなぁって、あらためて痛感した。同時に、もっと調べてみたいという沸々とわいてくる感情があるんだけどもね。

ここまでつらつら書いてきたけど、今週末は本格的に選挙モードに突入したな。そんなわけで、今回の総選挙中に英国式を是非とも採用してほしいのが、「ノーマイ選挙カー(デー)」だ。100パームリだけどね、街頭演説だけにして、お願い、ね。ホントうるさいもん…..orz

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