[Review]: 15冊のレビュー待ち

「最近、レビューがないじゃないか」とのツッコミが。真摯に受け止めます 🙂

エー、言い訳しますと、レビューは根がいるんですよね。というのも、レビューの形式というかスタイルが決まっていなくて、模索中。

読書感想文みたいな、客観的紹介に徹するとか、好きな箇所を引用して考察するとか、いろいろあるんですけどね。どうやったら、橋本さんみたいな秀逸なレビューがエントリーできるんだろう。

というわけで、レビューまち書籍をピックアップ&リストしておきます。少しでも参考にしていただければ多幸です。

  1. 数学を使わない数学の講義
  2. 靖国問題 (ちくま新書)
  3. 決断力 (角川oneテーマ21)
  4. 暗黙知の次元 (ちくま学芸文庫)
  5. 天皇はどこから来たか (新潮文庫)
  6. 火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)
  7. こころ (新潮文庫)
  8. なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎 (日経ビジネス人文庫)
  9. <反>哲学教科書
  10. イット・ワークス 夢をかなえる赤い本
  11. 『パーキンソンの法則』 C.N.パーキンソン
  12. ゲーム理論トレーニング
  13. 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)
  14. 保守の論理 「凛として美しい日本」をつくる
  15. 海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

1.識者の方は一度はとおり、卒業すれば「昔の彼女がまだ活躍されているようで懐かしい」と香ばしい微笑みをしたくなるという、学問の怪物小室直樹先生。数学の「集合」の視点から日常を論理する方法や、トピックスを「科学」するアプローチのメソッドには感嘆。

2.明晰なロジックで靖国問題を考察。ご本人は革新かと推察するがどうなんでしょう。その論理構築された言説は、得心できる点が多かった。これ一冊で靖国問題が自分のなかで解決されたわけではなく、これからの羅針盤として良質な入門書になった。

3.将棋界史上初の7冠を達成した羽生善治氏。この方の知はどこまで及ぶのか想像が尽きない。日常生活をどんな視点で眺めているのかますます知りたくなった。特に、将棋界におしよせるIT化の波に対する見識は、非常に参考になった。「才能とは、継続できる情熱である」

4.ナレッジマネジメントで使われる「暗黙知」。言語の背後にあるが、言語化されていない知。これを経営学的アプローチではなく、あくまで医科学的所見をのべている。暗黙知は科学的探求の源泉。

5.「天皇はどこから来たのか」の旅は、縄文巨木文化からはじまる。いつ頃までが神話の天皇で、いつ頃から史実に実在した天皇を思索するうちに、おもしろい仮説を展開していく。

6.オリバー・サックス博士の医学エッセイ。「妻を帽子とまちがえた男」と同様、脳神経外科の患者にみられる様々な症状を、単なる「病」として観察するのではなく、脳が創造するアイデンティティとみなしている。「脳のなかの幽霊」にしても言える「我が目を疑う患者」が登場してくるけど、なんとなく神秘さを感じてしまった。

7.パス。みなさん一度は読了かと。

8.人の名前をなぜ思い出せないのか。記憶の7つのエラー、「物忘れ」「不注意」「妨害」「混乱」「暗示」「書き換え」「つきまとい」を、ハーバード大学の心理学教授が解説。「物忘れ」と「書き換え」は、正直驚いた。

9.フランスの高校生が使う、「哲学の授業」の教科書。「なぜ人前でオナニーしてはいけないのか?」「君たちの祖先は人肉を食べて生きてきた」「小便器は芸術作品か?」など見出しが過激な教科書だが、中身は奥が深い。深すぎる。いまだ読破した気分になれない。はたして高校生が理解できているのか疑問。「ザ・カンニング」という映画に登場するバカロレアの意味が氷解できた。

10.右から読むと、日本語訳、左から読むと原文(英語)、という非常にユニークな書籍。いわゆる自己啓発本。30分もあれば読めるし、中身はいたってシンプル。英語の勉強にも使える。

11.1957年に発表されたパーキンソンの法則。「役人の数はなすべき仕事の軽重、時には有無にもかかわらず、一定の割合で増加する」という法則を数式化したことで世界的に有名。その他にも実用的な定理を多数発表。現代にも通用する指摘もあり、とても参考になった。

12.ゲーム理論の入門書。昔でいう「兵法」を科学した「行動科学」の抽象的モデル。政治、経済、金融、ビジネスなど様々なシーンで活用できる「戦略」として学ぶには、うってつけか。

13.外務省の傑出した切れ者で、対ロシアの情勢分析に精通。鈴木宗男氏に連座するように、「国策捜査」の一環として逮捕されたと主張。この著書を読むと、日本の外務省が一部の有能と大多数の無能によって成立している様子がうかがえる。町村氏が主張する「官僚少数精鋭主義」の必要性を痛感した。ちなみに著者は、鈴木宗男氏の対ロシア戦略および外務省のハンドリング能力を絶賛。

14.町村信孝氏が上梓した「保守主義で小さな政府」という個人的見解。表現はやわらかいが、僕が勝手に解釈すると、「税金を払っていないのに社会保障を手厚くしてくれ」という「無責任さ」から、「国民が自立した国」になろうと。その支援のために政府は改革を推進しなければならない。小さな政府になることを厭わない。小沢氏と組んだらどういう日本のグランドデザインが描けるか、見てみたいと妄想した。

15.記憶の製造工場とよばれる海馬。その海馬について研究している池谷裕二氏と糸井重里氏の「脳にまつわる」対談。海馬の神秘さや能力の優れた点、また、脳がいかにウソをつくかなど、知っているとビジネスの営業でも使えそうな視点がごろごろ。特に、糸井氏の破天荒なトークの展開は妙。