その敗北分析はいささか小首をかしげるが

石田日記さんが、今回の自身の総選挙敗北について、「わかりやすい」日記をしるしている。

これは僕にとっても事情は同じで、選挙最終日にウグイスさんに「今度の選挙の感想はどうでしたか?」と聞かれ、「らちもない戦をした」と答えたら、変な顔をされていたけど、僕の頭にあったのは三方ヶ原で武田軍に突っ込んでいって惨敗した徳川家康のことだった。そうして、9月11日、まったくこれまで接触できなかった人達が投票所に行って、完全に打ち負かしたのだ。

"選挙した側"からすればそうなんだろうなぁって感じで納得できる。が、"選挙された側"からすると、「それはちょっと」って小首をかしげたくなる。ちなみに、毎度ながらこの世界の方々たちのプロフィールを拝見すると、ハァと羨望のため息が。

無駄口はよそに、さて、市井無頼の徒のやじ馬的感覚でノーガクと、

「理解とは、物事を複雑にすることである(『歴史のための闘い』)」

みたいな現場レベルじゃないかと。党首の人柄や戦略はここでは捨象。

民主党って「政策が立案できる政治家集団」ってフレーズのもと、一騎当千のつわものが集まっている、とワタクシ的には感じる。

ただし、それが知的な香りを醸しだし、心強いと感じられるときもあるけど、今回のように、国民を小バカにしているのかと、有権者に"嫉妬"される危険もはらんでいるんじゃないかな。

誤解をおそれず言うと、「政治に興味がある狭く深い国民」を見つめすぎてしまい、「ノンポリティカルに近い広く浅い人々」の心に届かなかったのでは。なんか、まさに

「天才とは、複雑なものを単純化する能力のことである」

って言葉が、対極にあてはまったと武者震いした。あっ、毎度のことながら、イイかワルイかは別ね。

それが、石田日記さんの引用箇所にもある。「らちもない戦いをした」という返答。実際したのかどうかわからんけど、なんというか、ブログにこのフレーズを書く心理、選挙中にウグイスさんにコメントした心情を察すると、「然もありなん」ってね。

最後に余談ながら、読売新聞の分析結果からアプローチしてみる。

前回衆院選で民主党に投票した人のうち、34%が今回は自民党に投票したと回答した。今回も引き続き民主党に投票したのは、約半分の49%にとどまった。04年参院選との比較でも、民主党に投票した人の33%が今回衆院選で自民党に投票した。今回も民主党に投票したのは52%だった。

毎日だったかにも同じような調査結果があったような(気がする)、いい加減な記憶。

他にも、Irregular Expressionさんのとてもわかりやすい分析結果があるし、毎日新聞も比例区の分析結果を掲載しているので参照してもらえればと。

確かに自民党の比例区の前回34.96%から38.18%の上積み分は、石田さんの指摘が的を射ているかなって思う。

しかし、これを見てもわかるように、「まったくこれまで接触できなかった人達が投票所に行って」とはいえない。