問いのパラドックス

そうそう、以前から備忘しとかなあかんって思っていたことを思い出した。

「おや、ソクラテス、いったいあなたは、それが何であるかがあなたにぜんぜんわかっていないとしたら、どうやってそれを探求するおつもりですか?

というのは、あなたが知らないもののなかで、そのようなものとしてそれを目標に立てたうえで、探求なさろうというのですか?

あるいは、幸いにしてあなたがそれをさぐり当てたとしても、それだということがどうしてあなたにわかるのでしょうか-もともとあなたはそれを知らなかったはずなのに」

『メノン』藤沢令夫訳 岩波文庫