ロングテール現象とネット・マーケティング

FPN: ロングテール現象とネット・マーケティング

米国でWeb2.0と呼ばれる新しいインターネット環境下で盛んに議論されているマーケティング論が『ロングテール現象に基づくマーケティング』である。まだこれはマーケティング理論と呼べるまでアカデミックな研究が十分なされていない為、ロングテール現象と呼ばれている。ロングテールの現象、即ち『長い尻尾の現象』とは、「新しいインターネット環境下ではこれまで『死に筋』と言われてきた無数の商品やサービスが売れるだろう」と言う期待感を込めた理論である。アメリカのインターネット誌『ワイアード』の編集長、クリス・アンダーソンが提唱しているものでる。

2004年12月10日、Wiredに『The Long Tail』が寄稿されて以来、日本でも紹介されたロングテール現象を解説しています。つい最近、梅田望夫さんも、Web 2.0時代を生きる英語嫌いの若い人たちへの英語勉強法のなかで、「質の高い論考」をリストアップしています。

この梅田さんのエントリーを、310人のはてなユーザー(10月11日 18:05)がはてなブックマークしています。そして、刻一刻とそのユーザー数が増加しています。Web2.0にまつわるマーケティング論考に対して、ネットユーザーが高い関心をもっているとうかがえます。

例えばアマゾンの在庫は約230万冊と言われている。(中略)面白いのはアマゾンの場合、収益の57%が書店に置く価値の無い『死に筋』の書籍から上がってきている。

書店に置く価値の無い『死に筋』の書籍が収益に貢献しているのは、なぜか?この奇妙な現象に一役かっているのが、ブログやソーシャル・ネットワーキングなどのインターネットメディアです。

ブログやソーシャルネットワーキングなどは、『口コミマーケティング』に相応しいマーケティング手段と考えられている。そして日本のあるネット通販(Eコマース)企業ではアフィリエート・プログラムにより、ブログなどの個人日記から紹介された商品やサービスの売り上げ高が既に3割を超えていると言われている。

今月、アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれからという書籍が出版されます。人気ブロガーの一日あたりのページビュー(PV)は、数万とも数十万ともいわれています。

そのアルファブロガーが、「○○という書籍がとても参考になった」という書評をエントリーすれば、その書籍の認知度がネット上で瞬く間に広がります。特徴的なのは、書店がイチオシしているような万人向けとは違う書籍を取り上げるケースが多い点です。

バイラル(Viral:感染)マーケティングに登場するような商品が、この記事の「死に筋」にあたる場合もあります。

なかなかこれだといったモデルがないため、つかみどころのない理論かもしれません。とはいえ、サイト運営者の方なら、アルファブロガーと呼ばれるサイトや、アフィリエイト・プログラムで収益を上げている有名なサイトなどが、何かの媒体で紹介されたら、一度は訪問してみて、どのような商品やサイトを取り上げているか調べてみると何かヒントを得られるかもしれません。