cost-benefit relationship

どうも合ってないようです。顧客側からしても同様かもしれません。「”質”×”量”×”速度”」について顧客が検討したとき、シンクセルに対するcost-beniefitは決して満足のいくものではない、ということですね。

ビジネスの恒久的課題でありますが、「要求と仕事量(成果を含む)」の価格適正化は悩みどころです。ウェブサイトの制作や更新など、労働集約産業はなおさらかもしれません。

仮に、供給側が想定する適正価格を顧客に受け入れていただくとしたら、どういう反応があるでしょうか?(この”if”すらミステイクかもしれませんが)

  1. 今までの「成果」に満足していた(それ以上のものを感じていた)
  2. 今までの「成果」に可もなく不可もなしだった

1.なら仕事量の増加を抑制しながら、価格を適正化できます。一方、2.の状態ですと、「仕事量が価格上昇分に比例するなら」という条件が設定されるかもしれません。

上記の条件が付与された2.は根本原因を解決できておらず、「価格スライド」しただけといえないでしょうか(乱暴な言い方ですが)。くわえて、「可視化できないコスト」の増大を招くおそれもあります。これはあくまで供給側からの視点です。

2.の問題に取り組むとき、創業期の自分は、”HOW”もさることながら”WHAT”の発見に比重を置いています。課題設定ですね。それには、「創業時の価格競争に何が必要か?」と「顧客構造の変換には何が必要か?」の関係を考えています。

放言してしまえば、

「1対1なのか、1対多なのか?価格はどうするのか?価格適正化を図れる顧客構造は?高額であっても高負荷の場合(相対的価値判断の測定は必要)でも受注するのか?」

といった感じですね。もちろん、価格どうのこうの以前に、サービスとコンテンツがなければ本末転倒であって、その構築に注力すべきですけど(笑)

また、このテーマは売上主義か利益主義かの選択にもつながりそうです。同時に、二項対立の狭い視野は禁物ですが。

参考にするのは、わたしが事あるごとに開くバイブル、竹原義郎先生の『[症状別]経営診断・処方マニュアル』です。そのなかに「非価格競争力の強化」という項目があります。

成熟マーケットでは、価格競争力よりも非価格競争力の強化が重要ポイントとなる。非価格競争力とは、品質、サービス、システム、人間関係などの競争力である。ここでいう品質とは高品質のことであって、過剰品質ではない。サービスとは、無料サービスやおまけのことではなく、After service, Before service, Consulting service のA・B・Cサービスのことである。システムとは、提案、企画から納品、アフターサービスまでのトータルシステムのことである。それがオリジナリティーのある社名つきシステムであれば真価を発揮する。人間関係は信頼関係といってもよい。これからは非価格競争力の重みがぐんと増す。(同書, P165)

さらに同書によれば、企業競争力を基本式にまとめると以下のようになります。

  • 企業競争力={(品質÷価格)×サービス+システム}×人間関係
  • 価格競争力=品質÷価格

同書の内容は中堅企業以上を対象にしている節もあり、わたしのような個人事業主がかみ砕いて消化しようとすること自体、おこがましいわけですが……。

上記のような示唆に富んだ数式が随所に登場します。個人的には頭の中が交通整理されてありがたいのですが、「数式にするなんて!」と指摘する方もいらっしゃると思います。

こうやってアウトプットしていくと、自分の考えが少しずつまとまってきます。また、上記の数式になぞらえると、不足点や改善点などが浮き彫りにされます。

とまぁ、ここまで表面的な部分を述べてきましたが、タネをあかせば、何より必要なのは、

  • 「ことわる勇気」
  • 「うける勇気」
  • 「はっきりと伝える勇気」

であって、これが欠けている自分は最大の欠陥品のようです。そのことが、ここ最近の両親との家族会議からわかってきました。やれやれです。