先のエントリーに関連させるために、ここで、1ページの制作工程を例示してみます。まず制作費用について私見を述べますと、1ページあたり数千円から数万円(数十万も?)といった具合で、企業によって千差万別です。
つづいて制作内容と成果については、言うに及ばずですね。顧客側の視点、さらに「顧客の顧客」視点を忘れずにサイトを制作します。問題は作業工程です。1ページを制作するのに、
- 「情報構造」
- 「サイト設計」
- 「CSS」
- 「XHMTML」
- 「デザイン」
- 「マークアップ」
- 「画像処理」
と、ざっとあげただけでも7つの検討項目が、わたしの場合ですとあります。それぞれに作業が発生します。もちろん、「そんなとこまで考慮して制作(更新)してないよ。あくまで、クライアントが渡した資料をコピー&ペーストして、デザインを少し整形する程度」もあるでしょう。今回は、そのあたりの水準を捨象しています。
1-5まで、”HOW”の大部分は書籍から収集可能です。とはいえ、ウェブサイトを制作する人以外、関心のある分野ではないかもしれませんね。
ちなみに1-5は作業ではない、というのが私考です。どちらかというと、ルーティンワークではなく、「考える」ほうに比重を置いたモデル設計(構築)と分類しています。
ですので、ひどいときには、1-5の”設計”だけで1,2日要するときもあります(ひとつのウェブサイトまるごとは別です)。あっ、私に能力がないのも加味してください(苦笑)
ただし、これはわたしが一手に引き受けた場合であって、例えば「○○はこうしてほしい」とか「××でやってくれ」といった要望があるときは、よほど的をはずしてない限り、それらの要望にそって制作します。
- ユーザビリティー
- ページのテーマにあわせて情報構造とフォルダ設計
- 将来の拡張を想定したサイト設計
- CSSのidとclassの分類
- 最低限のSEOを考慮したXHTMLの構造化
これらについて、紙やアウトラインプロセッサを使って書いていきます。そして、完成したモデル設計にもとづいて、実際にマークアップします。
残すは「画像処理」です。CSSとXHTMLでページを作るなら、段組や手の込んだデザインは大変です。それらに応じた画像処理が必要で、単純に切った貼ったではないからです。黄金比率もありますから…..。
例えば、ディスプレイには画像が表示されているけど、いざ印刷してみると画像がナイという経験はないでしょうか?
これは、見ているページの中に画像を埋め込んでいるのではなく、CSSファイルに画像を格納しています。そしてCSSファイルが該当ページに画像を呼び出しています。よって、CSSファイル自体はディスプレイに表示されませんので、「画像が印刷されない」わけです。
正しいかどうかはわかりませんが、これが「表現と情報の分離」ですね。こういったページは、CSSをはずしてブラウズすると一目瞭然です。見事にテキストと画像が分離しています。他にも携帯電話でブログにアクセスしてみてもいいはずです。
というわけで、画像が多くなればなるほど、またデザインが縦長(ちょうどこのブログのように)でなくなればなくなるほど、画像処理工程が複雑になります。
http://screenspire.com/
上記のサイトは、CSSとXHTMLによって制作された世界中のサイトのスクリーンショットを公開しています。圧倒されるサイトが多いうえ、それらのコード(CSSとXHTML両方)をのぞき見して、画像処理方法を研究しますと頭痛がします(笑)
まぁ、自分がそこまでなりたいか、それともリンク先のようなデザインができる人を雇用するか、あるいは外注するかに関して言及すると、「職人なのか、経営なのか、はたまたその融合なのか」をきちんと分別して判断しないといけませんね。
ただ「雇用や外注ができる規模(業績的な指標)」になるまでが、先のエントリーと関連してくる内容もあるのかなぁと、少し立ち止まっているところです。