浅田真央さんの「今」だからこそに期待してしまう

瞬間の輝きだから感動するんだよね。

asahi.com ISUへ働きかけ困難 日本スケート連盟

城田憲子フィギュア強化部長は「わたし個人としては真央を五輪に送りたいが、ISUの下にある日本スケート連盟の立場で考えると、ルールをはずれることは出来ない」。日本スケート連盟としてISUに働きかけることは難しいとの見解を示した。

技術的な見地ではなく医学的な見地から出場条件を定めているのは理解できる。技術と医学を混淆して五輪出場の特例を議論してはいけないと釘をさすのも納得できる。

でもね、15歳という今だからこそ輝く一瞬を鑑賞してみたいのも一ファンとしてあるんだよね。特に、「今の身体でできるトリプルアクセル」という優位性もあるんじゃないと穿ってしまうから。

確かに浅田さんの場合、ジャンプ以外にワンハンドビールやステップといった「しなやかな表現力」も備えている。でも、その表現力が映えるのは、「トリプルアクセルを皮切りに、ルーツ・フリップ系の3回転を含む連続ジャンプを後半のスケーティングにもってくる非常識さ」にあると思う。

で、山田満知子コーチが「あれ、トリプルだったのっていう感じに簡単に跳んでしまうのよね」と評する通り、他の女子があきれるのを尻目にいとも簡単にジャンプしちゃう要因のひとつに、「身体が成長しきれていない、体重が軽い」のもあるんじゃないかな。

今の体重で跳べるトリプルアクセルとそのバランスが、浅田さんの中で絶好調なぐらい一致しているんじゃないかな。これが、4年後になると身体の成長にあわせて、ジャンプのバランスを一致させることができるかどうかわからない。

ジャンプの着地時にトン単位(じゃなかったかなぁ?)の負荷が加重され、体重が何グラムか増加するだけで、成功していたジャンプのバランスが変わるぐらいなんだから、それぐらいシビアな調整を求められるから、「今」を鑑賞してみたいんだよね。無責任な言い分だけど。

余談だけど、安藤さんは、今回のフィギュアGPファイナルで3度も転倒した。これは、どうも調整不足があるんじゃないかなぁと思う。昨年や今年の前半までの好調のときに比べ、「ふっくら」しているように見えるのはブラウン管のせいかな、気のせい?

有名になるにつれ、本業とは違うスポンサーがらみの副業が大人の事情で増えてきた今年、今までとは違う調整をせまられていたのかなぁと、これまた無責任な妄想を重ねてみる。

もともとのメンタルな面とか技術的な天賦のセンスというのもあるだろうけど、このさい「身体的特徴」だけをフォーカスするとやっぱり浅田さんのほうが安藤さんよりも有利だし、4回転ジャンプを成功させるよりスケート女子史上初のトリプルアクセル2回をトリノ五輪で成功させる確率の方が今のところ高いんじゃないって期待しちゃう。

ただ、安藤美姫さんも素晴らしいスケーティングテクニックを持っておられるので、次のNHK杯でトリノ行きの切符を手中におさめて、4回転ジャンプを成功させてほしいな。

とまぁ、こんな期待自体が「商業化五輪」に拍車をかけてしまうんだろうけどねぇ。