存続する強い企業の条件は?

ITPro: 改革なくして,企業の明日はない 200年,300年存続する強い企業の条件は?

ITProの新春特集「22人の編集長が展望する2006年」から記事です.テーマは「存続する強い企業の条件」で,キーワードとして"「社会貢献」と「助け合う現場力」"をあげ,事例としてトヨタを紹介しています.

キーワードは,「助け合う現場力」です.日経情報ストラテジーで連載している柴田昌治スコラ・コンサルト社長は,「トヨタの強さは,社員同士がお互いを助け合うことにある」と断言します.盤石のトヨタにも問題はたくさんあるが,その問題を直視し,カイゼンしていく.その際に自分ひとりでできないときに,周りに助けをもとめ,周りもサポートを惜しまないというのです.柴田さんに限らず,トヨタが強い理由として,お互いに助け合う気持ちが強い組織であると指摘する識者は少なくありません.カイゼンという改革手法を持っているだけではないのです.カイゼン手法をオープンにできるのも,「助け合う」企業文化を築かないと真似することすらできないからです.そして,その根っこの部分に社会貢献があります.

言葉尻だけをとらせてもらうと,助け合うには,「5W1H」を適切に現場に「アウトプット」する力がないと,「サポートする側」も戸惑うのではないかと思います.現場で発生する問題について,「なぜ」を内観し,「何を,どのように」助けてほしいのかを伝える力です.

この記事を一読して,「助け合う現場力」の背景に,「アウトプット力」を育成する教育と「アウトプットに必要な環境」があるのではないかと感じました.そして,その教育と環境にとても興味を抱きました.

今やブログやポッドキャスティングをはじめ,ツールとして「アウトプット」は揃っています.しかし,そのツールを使いこなすための「表現力」は,各人がもたなかればならない「アナログ」であり,それらを集積したものが「現場のコンテンツ」になるのではないかと思います.

昨年あたりまで,アウトプットに必要な環境は,ツール先行的な印象を個人的に持っていましたが,各人の思考を「どう的確にアウトプットするか」があらためて問われる1年になるのではないかと思います.