AERA 06.1.23号がなかなかおもしろい。目次のなかで次の2つの記事に刺激された。
- 自己改善で輝く人
- Googleが脳に代わる日
まずは「自己改善で輝く人」から。トヨタの「カイゼン」をテーマの中心におき、トヨタと他社の「改善事例」を紹介している。トヨタにはトヨタ語とよばれる隠語があって、「なぜなぜ5回」もそのひとつ。"なぜを5回繰り返せ"という意味で、「不思議と5回も自問すると、ミスの原因を掘り下げて考えることができる」と現場が言う。
その他にも「ヨコテン」。こちらは、提案制度の提案がいい結果を出せば、それを他の部門でも応用できないかと考えるという意味だ。
改善の定義はない。DNAに組み込まれているかのように、社員にとってみれば当たり前のことだから
"当たり前"の風土が、"決算書に数値化されない財産"なのだと感じた。同時に、この組織風土たらしめる源泉は何であるのかという疑問が頭から離れなかった。理解できた範囲で言及すれば、風土をつくりあげていく根底に、対話を繰り返す習慣があり、対話によって自己改善したい人自身に、現状や課題を気づかせる。そして、その気づきを今後の行動計画に落とし込んでいく。
ただし、もちろんこれだけではないはずで、もっともっとあるはずだし、そこへの興味がつきない。
何をしたいか明確な人ほど、何をすればその課題を克服できるかわかっている
トヨタ以外の事例も豊富で、とても参考になる。いずれの「自己改善」も、自ら考える力を放棄せず、とことん考え抜き、それを実行する熱意を持ち続けているのがうかがえる。たとえはじめは周囲が理解せずとも、自暴自棄にならず、「自分が何をしたいのか」を明確に伝える力をもっている。
人を育てるということは、「悩む力」を身につけさせることなのです。部下の無能を嘆く上司は、部下に「悩力」を身につけさせることができない自分の無能さをこそ嘆くべきだと思います。『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』 P.5 人づくりとは「考え抜く力」をつくること