AERA 06.1.23#2 世界をインデック化する日

AERA 06.1.23#1のつづき、Googleが脳に代わる日。正直、これについてはAERAに掲載されている一枚の写真をぜひご覧になってほしいぐらい。何よりも説得力がある。

「GOOGLE’S MASTER PLAN」というタイトルが書かれた横長のホワイトボードの写真。そのボードを前にして何か話し込んでいる様子の社員たちが写っている。

ひと目見たとき、「ホワイトボードに書かれたものすごい量のロジックツリー図」に驚いた。各項目が縦横無尽にリンクしていて、さながら「マインドマップ」ともいえる。なかには”Google OS”という文字もある。

この写真に驚いた理由は他にもあって、「膨大なアイデアを常に考え、話し合っている」社員のパッションをかいま見たような気がした。写真にあるマインドマップをアウトプットするには、想像できない質量のインプットとコミュニケーション力が潜んでいるのではないかと想像する。

だからこそ、「グーグルが何を考えているのか、まだ全然わからない」といわれるのかもしれない。

とはいえ、グーグルを支えているミッションはとてもシンプルに表現できる。

「グーグルの仕事は、ユーザーが望むことをなんでも実現すること。地球上のすべての情報を体系化、インデックス化することです」

愚見すると、もう一つあるのではないだろうか。それは、「コンテンツを自ら作らないことに徹している」ようにうつる。「コンテンツはユーザが好きなように作ればいい。我々は、そのために必要な(ユーザーが望む)インフラを提供する」というスタイル。

サンフランシスコ市長のガビン・ニューソン市長は04年秋、ITt関係者が「歴史的なスピーチ」と評価する決断を発表した。「市内全域無料Wi-Fi」という計画

ユビキタスのほんの一部とはいえ、すでに始まっている。それに対してグーグルは、

  • フルーグル
  • グーグル・アース
  • プリント・ライブラリー(著作権法違反で提訴された)
  • Gメール
  • ピカサ

と、脳に代わるべくインフラを提供している。『インターネットは民主主義の敵か』のキャス サンスティーンが指摘する。

「グーグルは史上初めて『情報は大衆のもの』という革命を進めつつある。対策は簡単だ。グーグルのプライバシーの問題を危惧するひとは、使わなければいい。究極的に人類は、グーグルを使う人と使わない人に分かれていく。使わない人も、十分に人生を楽しめる。もちろんわたしは使いますがね」