負け犬男ですかナニか?

nikkeibp: 第15回 少子化対策は“負け犬男”の救済にあり 〜イケメンと金持ちに群がる女性たち〜

「電車男」のように美人がオタクに恋をするなんてことは現実にはありえない。あり得ない夢だからあれほどヒットしたのだろう。しかし、「結婚できない」問題を解決しない限り、少子化は止まらないだろう。そのためには終身雇用制の世の中に日本を戻すこと。今のところ、私にはそれしか解決策は思いつかない。

愚見を申しあげると、「少子化対策→結婚できないから→終身雇用制にもどすこと」という単一の論理を展開されのはいかがでありましょう?おそらくこの記事は釣りだと穿っているのですが、あえて釣られてみます。

まずもって二つの疑問がよぎる。

一つめは、「少子化と国の質的経済力との相関関係」はどうなのだろうか。論壇をにぎわせる少子化対策について、少子化ありきのスキームで事態を解決されようとするのなら首をかしげてしまう。

仮に少子化に拍車がかかり、経済力が低下したとしても、それは量であって質まで低下するのだろうか。ズブの素人だからまったくわからない。なのですごくギモン。

くしくも1月21日の朝日新聞 beに『人口減少社会 ー個の豊かさ減退しないー』(大和総研チーフエコノミスト原田泰氏[55])というコラムが掲載されていた。

一人あたりの生産性を高め、女性など労働人口を増やし、高齢者の扶養負担を引き下げれば、人口減少によって豊かさが減退することとはない。交通渋滞が緩和され、一人当たりの住宅面積も広くなるなど快適な社会が実現できる。人口が減れば、一人当たりの所得も減ると考えられがちだが、そうではない。国際比較では、人口が減少している国のほうが一人当たり実質国内総生産(GCP)の伸びが高い傾向にある。

おそらくこのコラムも森永氏を含めた数多ある御高見のひとつであり、異なる立ち位置の専門家からすると論破すべき点が含まれているかと。

でも、愚生はどちらというと原田氏の主張になびいてしまう。それは、複数の選択肢が用意されているのではと愚考するから。まず「少子化=人口減少=問題」ありきでなく、現在の日本と経済力を俯瞰し、将来の展望から「国づくり」を設計・遂行・承継できるのではないかと淡い期待をよせる。

つづいて二つめ。バツの悪いことに”結婚してしまった”負け犬男がここに一人おるのですが…..。その男の遠吠えによると、「(終身雇用制にもどっても結婚するかどうかわからんけど)結婚したら子どもを産む」という前提が、ぴんとこない。

もし、わたくし負け犬男がサラリーマンになったとして終身雇用を保証されたとしても、子どもを産むかどうかワカリマセン。引き継ぐ尊さや家長の重みもわかっている(つもり)。あくまでつもりだけど(ウン?こんなことにムキになるのが、本当の意味でわかっていないということか)

それにもかかわらず、子どもを産まない”理由”がある。それは、終身雇用制に象徴される安定ではないところにある。自虐的かつお茶をにごさせてもらいますが、表出しない心の身勝手さにもっと耳を傾けないと。制度や補助金の改修ぐらいで子どもが産まれるかな。自己省察程度で言及すれば、「なぜたばこをやめないのですか」と問われている気分になる。

ほら、今年一発目の朝生に出演されたとき、番組終了20-30分前に観覧者のなかから質問を受けつけましたよね。その時、”一般人”が知見のある(専門的な)質問をすると、出演者のみなさんはどこか含み笑い風な感じとお見受けしました。

ところが、ある大学生が質問したときだけ、みなさん豹変して食らいつきましたよね。

その大学生は、引きこもり経由の大検受験者ウンヌンの方だったけど、みなさん、「何があなたを変えたの?」「友人があなたを変えたの?」「なぜ大学に進学しようと思ったの?」って矢継ぎ早に我こそはって訊いていましたよね。

なぜ、あれほどまでに耳を傾けられたのですか?

得体の知れないものに遭遇したときの知りたいという貪欲さですか?