Web2.0,3.0 への飛躍

Japan.internet.com: Web2.0,3.0 への飛躍

今 Google がすごい. なぜすごいか. それはおそらく業界全体が Google を, 新しい Web サービスビジネスモデルを成功させた象徴的な存在と見ているからだ. Microsoft でさえ,明確に対抗馬として意識しはじめ, Linux の影が薄くなってしまったほどだ.

たしかに今,Googleが騒がれています.とはいっても企業価値をのぞいて財務諸表だけを眺めれば,収益モデルは目新しくありません.先頃発表された米Google, Inc.の2005年度の売上高は対前年度比93%増の61.4億米ドルです.

その売上高に対してGoogleの時価総額は,ウォルト・ディズニー,ニューズ・コーポレーション,バイアコムのメディア3社の合計額に匹敵します.

クライアントのニーズとサーバーのインフラ,そして新しいアプリケーションの開発がどんどん進行した.もちろん, 技術的にはいくつかの要素が前提となっているようだが, むしろ,肌で感じられるほどの新しさを Web 2.0 という言葉で象徴したにすぎない.

このあたりがGoogleの企業価値を創出しているのでしょうね.Google MapやGmail,Google Analyticsをはじめ,次々とクライアントのニーズとサーバーのインフラを整備し,アプリケーションを開発しています.

この現象を企業システムに置換するとどうなるでしょうか.

企業システムがすべてブラウザベースになると, インターネット環境があればどこからでもアクセスできるようになる. 社内にいない営業マンが外からでもアクセスできる.[…..]インターネットにアクセスできてブラウザさえ動くのであれば, 携帯電話でもよくなる. こういったインフラは今後どんどん発展していく可能性がある. 問題になるのはやはりセキュリティだが, 逆にセキュリティさえ確保できれば,あとはばら色だ,とも言える.

極論すれば,インターネットに接続さえできれば,「企業の業務用システム,基幹システムが, ブラウザベース・Webベースになる」ということですね.当然,ミッションクリティカルなシステムは難しいと思います.

中小零細企業であれば,企業システムをWeb2.0に移行できる可能性が高いのではないでしょうか.ただし,この場合,企業システムにアクセスする端末は,PCだけに限らず,携帯電話,PDA,ポータブルデバイスなどに広がりますから,よりセキュアな環境が必要になります.

サーバーさえ堅牢であればいい. 管理もしやすい. ポイントツーポイントのセキュリティは非常に重要だが, サーバー側は相手のブラウザを管理するだけでよく, ハードウェアの管理にかかる負荷は激減する.

かつて,クライアント/サーバーシステムを構築するとき,ハードウェアの負荷を軽減させるため,分散処理システムを採用していました.ところが,近年,一元管理に統合するシステムもふえてきているようです.サーバーを堅牢にするために,集中管理し,効率化を図るのが目的です.

中小企業の場合,基幹業務は,社内サーバーのWebベースシステムで構築し,それ以外の業務は,外部のサーバーやWebアプリケーションサービスを活用すれば,シンプルなシステムになってスピード感がうまれます.ただし,その場合,既存の業務フローを徹底的にスクラップアンドビルドして,「Web2.0」に適合させなければならないと思います.

Web2.0系のアプリケーションサービスのメリットは,「あまり複雑系にならないこと」だと個人的に思います.機能がある程度限定されているので,自分をそれにあわせる「思考」がうまれてきます.この思考とそれを実践するプロセスが,Web2.0系アプリケーションサービスを利用する醍醐味ではないでしょうか.