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[Review]: ホスピタリティの教科書

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ホテル・旅館業が不況だと言われ、ひいてはサービス業全体が不況とも言われる。一方、どうみても不況とは思えないサービス業の職種がある。デパ地下、青山通り、世界的ブランドのフラッグシップ店、東京ディズニーリゾートなどなど。以上の職種は、「顧客満足」という視点からすれば、「サービス業」だと筆者はいう。この現象を評論家は「二極化の進行」とよぶ。はたしてそうなのか?

あなたは日々の仕事で「喜び」を感じているでしょうか。ぜひ、お客様とともに仕事をする「喜び」を感じてください。「喜び」を追求していくかぎり、よりより仕事を実現し続けることができるのです。“ホスピタリティの教科書” 林田 正光

筆者は、「二極化は確かに進んでいるが、それは現象にすぎない」と指摘する。では、現象の本質のなかで何がおきているのか?

「お客様が賢くなった」のである。

それを証左するのに、鈴木敏文氏(現IYグループCEO、セブン-イレブン・ジャパン会長兼CEO、イトーヨーカ堂会長兼CEO)のインタビュー記事を引用する。

「一年前、流通業界で通用した常識が今年はもう通用しなくなっている。企業は常に変化する必要がある。[…..]コンビニは将来的には自動車を売ってもよいと思っている」

「賢いお客様」に満足していただく、置換すれば「顧客満足」の実践を筆者は過去の職歴から学んだ。その結果たどりついたのがホスピタリティ。お客様の感動を生む「まごころ」のおもてなし(=ホスピタリティ)の教科書である。

日本では、ホスピタリティを「優しく接する」といった曖昧に解釈しがちだ。対してホスピタリティは「心のこもったおもてなし」であり、身につけるには、試行錯誤を経て自分流を見つけることが必要と本書は定義している。

欧米でいうホスピタリティは、以下の3つの要素から構成される。

  1. Safety 安全であること
  2. Courtesy 心くばりがあること
  3. Amenity 快適であること

優しく接すればと皮相的な考えを理解してもホスピタリティは生まれない。

例えば、Courtesyでいうと、香港のあるホテルにはエグゼクティブ向けに「個人ショッパー」という買い物代行サービスがある。クアラルンプールのホテルには、「テクノロジー・バトラー」とよばれる電子機器トラブル解決サービスが誕生し、いまでは世界中のチェーンで同様のサービスが24時間提供されているという。

これらはすべて、それぞれのホテルやスタッフが「お客様に対して自分がお役に立てることはないか」という試行錯誤を経た結果だ。おもてなしに「心」をこめて、「ブランド化」している。

ホスピタリティは一朝一夕にできるものではない。では、企業がホスピタリティをもつのに、大切なことはなにか?

「理念である」と本書はいう。

では、理念を浸透させ感動のサービスを提供するには、企業は何をすればいいのか?そのヒントとなる「あり方」が述べられている。

ホスピタリティに方程式はない。言葉で定形化できない。感動のサービスを生みだすには”感性”が必要だと筆者が力説する。感性はマニュアルに書かれていない。マニュアルは大切だが、それに頼ってはいけない。それ以上のモノを追求しなくなる。

感性を磨くためには、職場だけでは不十分です。自己投資しなければなりません。有名な画家の美術展に行ったり、能や歌舞伎を見たりするといいでしょう。費用はもちろん会社は出してくれないでしょう。ですから、どうしても自己投資となるのです。(中略)誤解のないように言っておきますが、感性とは知識や教養ではありません。そして、知識や教養をもう一段昇華させた「知恵」を磨いて欲しいと思うのです。単なる芸術の知識を披露するような教養では、お客様は喜ばせることはできません。最後に、もうひとつの感性を高める方法をご紹介します。それは、想像することです。自分が憧れのレストランに行った姿や、欲しかったスーツを手に入れて自信満々で着ているさまを想像します。感情を高めるぐらい、一生懸命想像するのです。 同書P.166-168

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