病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める-

病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める-今週の『世界一受けたい授業』に出演予定ときいたので、Amazonで売り切れになるだと先回りさせてもらった。著者は新谷弘実先生、米国アルバート・アインシュタイン医科大学外科教授。新谷式と呼ばれる大腸内視鏡の挿入法を考案し、開腹手術することなく大腸内視鏡によるポリープ切除に成功。世界初として医学界に大きく貢献。読了後、自分の医療リテラシーの低能さに噎び泣きかけた(泣)

人間の体はすべてつながっています。たとえば、歯が一本虫歯になっただけでも、その影響は全体におよびます。充分に咀嚼されなかった食物が胃腸に負担をかけ、消化不良を引き起こし、栄養が充分に吸収されず、体の各所でさまざまな問題が生じるからです。「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがありますが、人間の体も同じなのです。『病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める-』 P.9

30万例以上の胃腸を検査してきた臨床結果から、先生はあることを教わった。それは、「健康な人の胃腸は美しく、不健康な人の胃腸は美しくない」だ。それらを先生は「胃相」「腸相」とよんでいる。胃相・腸相のよいわるいは、食歴と生活習慣に影響される。この相互関係は来院者のアンケート調査からわかったそうだ。

では、どうすればよいのか?

自分の仮説とことわりをいれて、先生は「ミラクル・エンザイム」を消耗しない生活を送りなさいとアドバイスする。「ミラクル・エンザイム」とは先生の造語で、簡略すると、人間の生命活動を担っている五千種以上の「ボディ・エンザイム(体内酵素)」の原型となるエンザイムのことをいう。

以下、ミラクル・エンザイムの説明や摂取のしかた、消耗をおさえる方法の解説が続くのかと思いきやそうではない。ベストセラーの一因はどうやら巧妙な構成にあると、愚生は臆断した。

以下の箇条書きにこころあたりがないだろうか?

  • 腸のために毎日ヨーグルトを食べるようにしている。
  • カルシウム不足にならないように、毎日牛乳を飲んでいる。
  • 果物は太りやすいので控え、ビタミンはサプリメントでとるようにしている。
  • 太りすぎないよう、ごはんやパンなど炭水化物はなるべく控えるようにしている。
  • 高タンパク低カロリーの食事を心がけている。
  • 水分はカテキンの豊富な日本茶でとるようにしている。
  • 水道は残留塩素を抜くために、必ず一度沸騰させてから飲んでいる。

なにやら『世界一受けたい授業』で出題されそうなフレーズがならんでいる。これらは、胃腸内視鏡医の先生からいわせると、胃相・腸相を悪くする「間違った健康法」となる。

「間違った健康法」を引き合いにだして巧みに話を進めていく。へぇ〜ボタンを押すだけでなく、何をためしてガッテンに賭け金を置くのかは、読み手次第。もちろんスルーもあり。あらためて医療リテラシーって酷だなぁと頭をかかえ込んだ。

ちなみにわたくしは、牛乳とヨーグルトを毎日飲食してます、はぁ〜(笑)