高校生のための批評入門

高校生のための批評入門 (ちくま学芸文庫)

まだ読了していない。にもかかわらずレビューしてしまうには理由がある。特定の人に読んでもらいたいから。先週、ある方々とお会いした。その人たちがいかに苦悩しているのか伺える。ご本人は”内”と”外”で違う役割を演じている。にもかからず、他人は内から見ただけで相手を批判したり、自分の了見で臆断した意見を述べる。

無関心の人たちがまさか本ブログを読んでいるとは思わない。それを承知で書き殴っているし、もがきあがいているご本人を目のあたりして書かずにはおれなかった。

あなたたちは、私の目の前にいるご本人と「対話」をしていない。行動の結果にはそこに至る経緯があると思う。その経緯を言葉で理解しようとする前に、思考の「結果」にのみ照準を合わせ、無関心という反抗を試みる。

思考の「仕方」をわかろうとつとめているのか疑問だ。そして、眼前に姿がないとみるや後言が瀰漫する。全員が「べき」論を唱えるような空間になるかもしれない危険を認識しているのだろうか。

この文章は中学生であるフミが、自分とは全く違ったことを考えている、しかもどこか共感を覚えるスンヒルトに出会った驚きにみちている。フミにとってのスンヒルトのように、自分の前に対置されている人間、自分の意識に対置されている考え、こういうものを「他者」と呼ぶ。他者とは必ずしも他人のことではない。また、人間を指すとは限らない。物でも事柄でも思想でもいい。自分に対して変革を迫ってくるもののことである。
私たちは「他者」に出会うとき、驚きや違和感を覚える。その時、本当に「私」を意識する。これが批評のはじまりである。
『高校生のための批評入門』


本書は51編の批評から構成される。一番最初に子安美知子氏の『みどりのパントマイム』が登場する。一部分を読み、次の設問にそって自分なりの批評を加えてみよという。

—–文中に「必要」ということばが何度か出てくるが、フミとスンヒルトでは「必要」と言ったときの内容が少し違うようだ。その違いを説明してみよう。—–

この設問に対する批評(解答)の一部が引用部分だ。短い文章のなかに難題が横溢していると思う。私には理解できない。わからないからわかろうとしたい。

意味もわからずまま拝借するのもどうかと思うが、そのまま尋ねたい。

  • 「他者」に出会って驚きや違和感を覚えているのだろうか?
  • 「正しい/誤っている」の範疇で会話をしていないだろうか?
  • 「なぜそう考えるのか?」を言葉にできないと承知していても言葉にしようと試行錯誤しているだろうか?

Comments

“高校生のための批評入門” への2件のフィードバック

  1. 先週は遅くまで有難うございました。いつもいろいろな視点からコメントをいただき、ハッとさせられることばかりですが、どこか自分との対話を避けている自分がいます。まずは自分自身と向き合うことから始める意味でも早速この本を読んでみたいと思います。ちなみに、まだWEB進化論を読了できてませんが・・・

  2. Eさん、先週も楽しかったですよ。ただ、別枠で予選突破についてもっとお聞きしたいことがあったんですけど…..(笑)

    本エントリーの感情的矛先はEさんではありませんので、ハッっとされないでくださいね(泣)Eさんも含め、もっともっとお話ができればと思っています。

    WEB進化論についても、「あちら側」の何を利用すれば、顧客や社内に付加価値を提供できるかといった視点から合同勉強会を開いてもいいかもしれませんね。

    ご多用中とは思いますが、また行きましょう(笑)