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[Review]: グーグル—Google 既存のビジネスを破壊する

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グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)

もしインターネットで今何が起きているのかを知りたければ本書と『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』を読めば事足りる。新書2冊分しめて4,5時間程度の読書時間でインターネットの地殻変動を体感できるのであればもっけの幸い。本書に書かれていることは”事実”。それ以上でもそれ以下でもない。筆者の感想や観測が多少含まれている部分を引き算してもジャーナリストの眼からみつめ取材にもとづいて構成された事実だ。「破壊」と「創造」を同時に進行させているグーグルの”事実”。両書ともインターネットにどっぷり浸かっている人ではなく控え目のビジネスマンにおすすめかもしれない。特に、FACE TO FACEのサービスを提供していてコンサルティング的要素を内包している業務に従事している方々にはうってつけだ。なぜなら仮に自分は「インターネットから距離をとっている」つもりでも、対面している顧客は「インターネットの距離を縮めたがっている」かもしれない。まして顧客の顧客は「グーグル世界を縦横無尽に駆けめぐっているユーザー」かもしれない。気づいたときにはインフラになっている。もし乗り遅れてしまっても焦らず「乗らずにすむ」方法もあるのかもしれないが…..。

グーグルは、強力な広告ビジネスを背景に、古い世界の秩序を壊し、伝統的な企業のビジネスを破壊しようとしている。グーグルは、ロングテールによって中小企業を再生させ、新たな市場を創出しようとしている。グーグルは、人々の情報発信を手助けし、企業や政府などの強力な権力と同じ土俵に上がらせようとしている。しかしその一方で、グーグルはそれら新しい秩序の中で、すべてをつかさどる強大な「司祭」になろうとしている。それは新たな権力の登場であり、グーグルにすべての人々はひれ伏さなければならなくなるかもしれない。

『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)』 佐々木 俊尚 あとがき

先日北朝鮮がミサイルを発射した。ブロスフィアでははやくもGoogleマップGoogle Earthを駆使して発射地域を特定しようと試みている。かなり近いところまで達した人もいるようだ。

本書にはウソのようなホントの話が登場する。倒産寸前だった羽田空港近郊の民間駐車場経営者がGoogleのキーワード広告を使って押しも押されもしない民間駐車場になったインターネット版プロジェクトXや三和メッキが個人メッキ市場というロングテールを構築した事例だ。いずれもどれくらい脚色されているか知るよしもない。とはいえ事例の企業は”実在”する。そして、これらの事実は一筋の糸をもたらしている。それらはいずれも中小零細企業だ。個人事業主も含まれるだろう。

卑近で例をひくと、私の支援先のお客さまがグーグルを活用してウハウハになるといった物語だ。これが何を意味するのかなんて解説できないのでだから読んでと冒頭で記した。

一方で「FACE TO FACEのサービスを提供していてコンサルティング的要素を内包している」職種には危険もはらんでいる(意味深長な表現になって恐縮)。つまり自分たちの業務がグーグルやなんちゃってグーグル企業のテクノロジーによって「あちら側」の世界へもっていかれてしまう可能性を秘めている。もしくは自分たちの業務があちら側へ持っていかれなくてフゥ〜とため息をついているのも束の間、自分たちが提供している「知識」が「あちら側」に保存され、「知識」の価値を著しく低下させられるかもしれない。

私はすでに経験している。ブログがそうだ。放言すれば今の世の中高価な代金を支払ってホームページを制作してもらわなくてもボタン一つで持つことができる。つまり”制作”代という交換価値がチープ化している(もちろん釣りの表現も含んでいるけど)。

別にグーグルだけの話ではない。本書でも述べられているようにグーグルが万一倒産、もしくは買収されれば、どこかが取って代わるだけだ。つまりグーグルが構築してきたインフラそのものはおそらくインターネットから消失することはないと私は思う。むしろそれらを肥やしにどんどん進化しテクノロジーが(人が)持てあますほどのサービスを創出するかもしれない。

コンピューターの世界で「ビルゲイツBC/ビルゲイツAD」という表現があるように、これからは「Google BC/Google AD」とう概念が形成されるかもしれない。そしてまぎれもなくGoogle BC世代の私には「知識」そのものに価値を求められるよりも、「代えがきかない私」とは一体誰なのか、何をするのかを考えて実行しなければならなくなっている。しかもそれに残された時間はあとわずかである。

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