三十路半ば、垢にまみれた己を知る

毎日身体をごしごし洗う。垢が落ちていくのがわかる。で、なぜこんなに落ちるのか不思議に思う。それだけ汚れている。が、納得できない。あかすり屋あかとりパフをためす。卒倒する。垢にまみれた己を体感。己がどれだけ垢にまみれているのかに三十路半ばにして気づく。情けない。むべなるかな。

江戸時代、風呂といえば今で言う蒸し風呂であり、そこで湯女は垢をかき、髪をそそいだと読んだ。なるほど、こういうことかと独り合点。ここで俳句でも詠めればいきなものだと非才を恨みつつ、垢すりに没頭する。何ともいえぬ気持ち。生まれ変わった気分。大げさな。風呂のある毎日に感謝。