現実は厳しい

一県民として備忘。本日、嘉田知事後初の県議会が開会される。

asahi.com: 新幹線新駅「工事協定順守を」 凍結方針にJR東海社長

松本社長は、地元からの強い要望に基づいて新駅建設を決めたことを何度も強調し、「(JR東海と滋賀県、栗東市など)4者が誠実に履行すべき法的行為で、当社としても誠実に順守・履行するのが重要だ」と述べた。ただ、凍結に対する具体的対応は明らかにしなかった。5月に着工した工事費の一部はすでに栗東市に請求したという。

「請願駅」であることを強調している。まずはこのあたりから牽制していこうといったところか。

asahi.com:新幹線新駅めぐり包囲網 嘉田滋賀県知事に早くも正念場

嘉田知事は25日、県がJR東海と結んだ工事協定の破棄に向け、同社の松本正之社長と初会談に臨む。「凍結に政治生命を賭ける」と繰り返し、JR側との交渉を急ぐ構えだが、松本社長は19日の記者会見で、「協定を誠実に順守することが重要」と原則論を強調。今月末に支払期限を迎える建設費の県負担分約3200万円についても、「払わなければ債務不履行だ」と牽制(けんせい)した。

初登庁を報じる記事。「協定書には建設中止に関する項目がない」とある。素朴な疑問としてこんな契約の結び方もあるのかと思った。新駅建設の負担金の一部として滋賀県が積み立てた基金約39億円。これを一般財源化しようとするなら条例改正が必要。しかし、議会が賛成するとは思えない。民が望まない方向をめざす議会を傍観するしかできないのか。

asahi.com: 新幹線新駅「窓口は栗東」 JR東海、県との交渉拒否

滋賀県栗東市の新幹線新駅建設問題で、嘉田由紀子知事は25日、JR東海本社(東京)で松本正之社長と初めて会談し、建設凍結の意向を伝えた。松本社長は「工事協定の窓口は栗東市。手続きを踏んでほしい」と述べ、県との直接交渉を拒否した。嘉田知事は今後、地元の関係市と話し合いの場を持つ考えを明らかにした。

この記事では「すでに着工している工事のペースを遅らせてほしい」と求めたとある。

この事案、昨年の宮城県の県警捜査報償費内部調査のように知事権限で予算執行停止が可能なのだろうか(参照1,参照2)。地方自治体149条とか読んでみるが法律の心得がないのでよくわからない。都道府県議会制度研究会が平成17年3月18日報告した「今こそ地方議会の改革を -都道府県議会制度研究会中間報告-」を読むとなんだかなぁともあらためて自分の無知さ加減にあきれる。

なかなか現実は厳しい。凍結をめざしているから着工の時期が遅れても「いずれ」完成すると考えた方がよいのかもしれない。としても、何かしら対抗もふくめた手段はないのか。窮鼠猫を噛むとは例えが悪いけど、議会と民意の乖離をまえにして住民は何をできるのかあらためて考えさせられる。もちろん賛成派からすれば、「賛成したのも民意」だと主張するだろう。たとえ反対の声が多数を占めていても議会制民主主義にのっとって県政を動かしているのは我々だと高らかな声が聞こえてきそうだ。


Comments

“現実は厳しい” への2件のフィードバック

  1. 滋賀作のアバター
    滋賀作

    先の知事選では地元の栗東市ですら、新駅反対派(合算)のほうが推進派より多かったそうですよ。
    どうなっているんでしょうねー

  2. 滋賀作さん、コメントありがとうございます。

    栗東市でも反対派のほうが多かったのですね。そうだったのですか。おどろきです。

    本当にどうなるんでしょう。関心をもって声を出すのが第一歩なのかなぁと思います。