おかえりなさいマイネ・ザッヘさん

おかえりなさい!Meine Sacheさんの「詐欺師の告白」がRSSで更新されているのに気づき、日付を確認しながら「やったぁ〜」と声をあげてしまいました。RSSをはずさずに残しておいてほんとうによかったと胸をなでおろしています。これからも無理をなさらずにしてください。

そしてそうするうち、以前このブログでこぼしていたようなテレビメディアの歪みぶりが、今まで以上にどうしようもなく目について、これまでおぼろに感じていたことが、確信へと変わりました。現在ある形のテレビメディアは、本質的に詐欺師集団と何ら変わりません。今のぼくの心境は、マルチ商法に、マルチ商法だと知らずに荷担していた人が、マルチ商法だとはっきり気づいてしまったような、でも生活がかかっているし、その勇気もないのでなかなか抜けられない・・・と、そんなところです。

まさにテレビの現場の声なのでしょうか?僭越ながら申し上げますと、いち視聴者としてここ数年来感じていたモヤモヤが言葉にされたようで、膝を打ちました。テレビを視聴する時間が減少していった(夕食時のNHK他、自然をとりあつかった番組ぐらい)きっかけはなんとなく「詐欺師集団」と感じたからかもしれません。

かつては、それ以外の「7割の人」をいかに取り込むかにかなりの力を入れていたと思います。しかしネットの普及などで「7割の人」におけるテレビの影響力は劇的に薄れ、もういくら「7割の人」に向けてメッセージを送っても、打てども響かずの状態になってしまいました。だから最近は、はじめから「7割の人」は切り捨てて、「だまされやすいバカ」を徹底的に操る方向にシフトしているのです。とくにニュースのように、名目上あらゆる層に向けた番組は。

"いくら時代が進歩しても多分人口の3割くらいは常にいるであろう、テレビのことを鵜呑みにする人=「だまされやすいバカ」"がほんとうに存在するのかどうかわかりませんが、知らず知らずのうちに私もその「バカ」に入っていたのだなぁとあとで体感することはあります。その時、自分の背筋が寒くなります。

不敬を承知でのべると、書店もそれに近い状態ではないでしょうか。書店を徘徊していると、3割のだまされやすい人々をターゲットにした本が平積みされているように思います。以下、まったく根拠のない勘です。

「騙されるな!」と真摯な態度で情緒的にならずに理路整然と説明している書籍は、7割の人に響いても残りに届かず、反対に「騙されるな!」ととてもわかりやすく解説している本が3割の人に届いている(7割の人は手にとらない)。版数をチェックすると、7割の人に響いてほしいと書いているのに3割向けよりも売れていないという本もあるのじゃないかと思います(いい加減な自分の勘だけです…..)。「わかりやすさ」が跋扈して「わかりにくさ」が敬遠される。同じ「騙されるな!」であっても、なぜ「騙されるのか!」という問いを設定せずに、「騙されるな!」という答えだけを電子レンジでチンするように3割の人から売上を計上する仕組みがあるように感じます。「騙されるな!」という本を買う自体が「騙されている」というアイロニー。

私はその構図を「いい/わるい」で眺めたり判断するつもりはありません。ただ、自分の仮説がほんのすこしでも的を射ているとするならば、「なぜ7割の人へ向けた"声"が3割の人へ届かないのだろうか?」という疑問があるだけです。その「壁」を知りたいというのが私の関心事です。私自身もつねに3割に属しているかもしれない恐怖心があるから探求したくなります。「だまされやすいバカ」の自分に気づかず、叡智の声に耳をかさない。というよりもかせない。わたしが常に恐れている情態です。

ところで、「製品に不具合」が出た場合、普通のメーカーであれば存亡の危機ですが、テレビ局の場合はどうなのか?次回は、ぼくの育ての親であるTBSで最近起きた、果てしなく情けない事例で考えてみようと思います。

TBSの事例、ぜひ楽しみにしています。