顧客との距離再び

コメントを頂戴して再びもぐってみる。

2PandDouble:顧客との距離

私の「ありたい姿」と顧客の「今の姿」の差異を発見し、それをテーブルの上に載せているように思う。これはかなり危険だ。いくら顧客が納得してくれても動き出さない。

いくつか抜けている。自分の頭の中ではつながっている。が、いざアウトプットすると省略してしまう。適切な”ことば”を選択する力がたりない。だめだな、まだまだ。以下つなぐ。

私が顧客に○○と「あってほしい姿」と顧客の「今の姿」の差異を発見することと、顧客が○○で「ありたい姿」と顧客の「今の姿」の差異を発見することは違う。

この推論はまちがっているかもしれない。まちがっているかもしれないと後ろめたさを感じつつ少しコレで進めてみよう。

前者と後者の違いはなにか?

違いは”主語”。前者は「私」であり、後者は「顧客」。ここまでは得心。で、問題はここから先。”私が顧客に○○と「あってほしい姿」”という着眼は大切だと思う。この着眼が「問題」を嗅ぎつける。立場を変えてみる。私が顧客、私の役割をつとめるのは歯科医院のスタッフさん。歯科医院のチェアーに横たわる。専門家は「○○であってほしい姿」を心象する(と思う、たぶん)。私が問題だと気づかなかったり、問題だと感じていなかったりする点を問題だよと専門家は指摘してくれる。往々にしてある。

この構図を私と顧客へ置換する。私が抽出する「問題」はあくまで私の視点。ここが落とし穴(のような気がする)。何か。「問題」を「課題」に私の内部で変換してしまう。ときに自分で気づかぬうちに。というよりも「問題」を検証せずに。ややもすると検証の仕方すら知らず。「問題」から「課題」に変換された瞬間、顧客の目にはその「問題」は仮想現実にうつる。「問題」と書いたのは、私が自己内変換した「課題」はまだ顧客には「問題」と認識されているから。

ワンシーン。顧客は自社の課題が書き連ねてある提案書に目をやる。なるほどよく書けている。「そうそう、そうだよ」と膝を打つ。でも、どこか実感がわかない。それら一連のしぐさを他者は「やる気がない」と断じる。はたしてそうなのか。

他方、”顧客が○○で「ありたい姿」”は何をもたらすのか。私にはわからない。これがやっかいなのだろう。顧客は”○○で「ありたい姿」”を模索したとき、みずから考えて「問題」を嗅ぎ当てるのではないかと臆測。臆測の範囲からとびだして確信までは至らず。至らないけれど、このとき私はどのように支援するか。私は、”私が顧客に○○と「あってほしい姿」”から着眼した「問題」を捨象して客観するように距離をはかるのか、それとも「問題」を念頭におき距離を近づけるのか。はたまたほかのふるまいがあるのか。このへんでとまどう。私が抽出する「問題」は、いつしか「先入観」へと変化するおそれがある。「先入観」に変化した眼で顧客が模索している姿を眺める、これは危険。

コンサルティングファームは「ありたい姿」と「今の姿」を描き、その2点の落差が「課題」だと説明する。ロジカルでありたいへんわかりやすい、はず。でないとコンサルティングファームは受注に苦労する。「答え」をもっていないコンサルタントに耳を傾ける経営者は少ないからコンサルティングファームは「私は答えを持ってます」と心をつかむ。

カーブした。今、考えながら書いている。しっくりこない。やっぱりもとにもどる。「問題」とは何だろう。

“私が顧客に○○と「あってほしい姿」”を描くときの「問題」と”顧客が○○で「ありたい姿」”を考想するときの「問題」—–この二つの「問題」が一致しない。これが出発点ではないか。そしてこの出発点を

  • 確認する
  • 精査する
  • 共有する

これらは私と顧客が「出発点」に立つための工程。この時、両者はいちばん近い距離にいたほうがいいのかもしれない。両者の「問題」が当初から一致するときもあるはず。それはそれで「一致」を確認する工程がある。そしてこれらの距離に必要な視点はなにか。

「私と顧客が出発点(=問題の共有)について議論している風景を鳥瞰する」ような視座

地上での両者の談論風発を天上から両者が「おお、やっているなぁ」と眺める立場。自分で書いていてもやっぱりピンときていない。だからわからない。赤貧のボキャブラリーでバカとつぶやきながら表現してみた。なんかアウトプットできない事態に遭遇するたび、「自分の頭のわるさ加減」が再認識できて凸凹なテンション。成長してないぞわたし。

私が顧客と出発点に立てたとき、その瞬間から「問題から課題へ変換する」工程がはじまる。このとき、少しずつ距離をおくのか、近いままなのか、いまはわからない。ただ自戒をひとつ。「課題」が「仮想現実」にならないように微に入り細をうがつべく己のリソースを配分する。

いまだ結論はでない。とりとめもなく愚問愚答してみた。