いつでもどこからでもアクセスできる電脳生活世代

あと数年もするとこのブログもパソコン・TV・携帯電話・ゲーム機とそれぞれの端末から閲覧できるように管理するのかもしれない。その頃になると、もう"ブログ"と呼ばないのかもしれないが、そのへんは瑣末なことなので今は切り捨てて考える。きっかけはCNETの「知りたいことやわからないことは、まずネットで調べる」「多様化する子どもたちのネットアクセス手段」の2本の記事。

調査によれば「知りたいことやわからないことはまず、インターネットで調べてみる」と回答した人は全体の92.4%だった。また「インターネットショッピングの利用経験がある」と回答した人は90.6%で、うち月に1回以上利用している人は68.4%だった。普段のショッピングの前に、事前情報としてネットで商品情報を探す人は77.1%で、何かを調べるときに日常的にネットメディアを活用する人の割合が非常に高くなっていることが分かった。「知りたいことやわからないことは、まずネットで調べる」

一昨日、京都駅でクライアントの方とサイトの打ち合わせをしていたき、「数年後のウエブサイトはどうなるのだろう?」というトピックスがでた。そのとき、皮膚感覚的な話で、当てずっぽうだと断って、「生まれながらにしてインターネット+ブロードバンドがある世代の行動様態は私には想像すらできない」と述べた。1985〜1991年生まれの「電脳生活世代」とよばれる人たちは、義務教育の段階からパソコンが整備されており、高校生までにはブロードバンド環境を獲得している。くわえてそのあとの世代は物心ついた時から、「知りたいことやわからないことはまず、インターネットで調べてみる」環境が眼前にある。

さらに、私のようにインターネットへアクセスする手段がほとんどPCというわけではない。

最近、ますます多様化するモバイル機器を使って、自宅以外の保護者の目の届かない場所でワイヤレスブロードバンドを利用する子どもたちが増えている。例えば、ソニーの「PlayStation Portable(PSP)や任天堂の「Nintendo DS」は、人気の携帯型ゲーム機だが、子どもたちはそれらを使ってネットにログオンしたり、PtoPチャットネットワークに接続したりすることも可能なのだ。また、Microsoftが発売を予定している携帯型メディアプレーヤー「Zune」では、内蔵されているWi-Fi機能を使って、簡単にソーシャルネットワークに参加することも可能になるだろう。「多様化する子どもたちのネットアクセス手段」

善悪是非の価値を論じている間にも、粛々と「多様化」は進行している。目的にたどり着くための探索経路が多岐にわたっている。検索エンジンの上位に表示されるのは大切であるけれど、これからは、「いかに到達しやすくするか」が問われるのかもしれない。

たとえば、最近のCMは15秒間のうち最後のコンマ数秒〜1秒ぐらいに"「地底人」検索ポチ"といった続きはウェブ式が散見される。これもひとつのキーワードを打つことによって目的のサイトへ容易に誘導できる「探索」を示している。さらに、アクセスしてからが重要だ。

もはや「トップページ」にアクセスするのを前提にサイトを設計していては、ユーザーは満足しない。今、この瞬間におとずれた「ページ」によって、そのウェブサイトのユーザービリティが判断される。

そして、トップページに訪れないユーザーは、今後、パソコン・TV・携帯電話・ゲーム機などアクセスする端末を選ばなくなる。ひょっとすると、場所も選ばないのかもしれない。職場や自宅はもとより、屋外、お店、カフェをはじめ、高速道路、一般道路、パーキングエリアなどどこからでもアクセスしてくるようになる。ますます「知覚」してから「探索」するまでの時差がなくなる。

それらを見据えてサイトを設計しているだろうか?