立場が変われば面白いモンだ

昨日、大津税務署へ行く。今回、MacBook Pro(カスタマイズして約28万円)を購入するにあたり、少額減価償却資産の対象として全額1年で償却、ということは全額経費にできるかどうかを確認。事前に平成18年度税制改正の要綱と減価償却の記載方法を印刷して、質問事項を記入していざ出陣。

まぁ、キャッシュが出ていきますので、約28万円のキャッシュを流出してまでモノを買うか、それとも約28万円×税率分の税金を支払って残ったキャッシュを留保するかは判断の別れ目です(あくまで極端なキャッシュフローの考え方です)。節税目的が本末転倒しますから。100万円全額経費に使って「現金を流出」させても、税率20%なら税金は20万円安くなるだけです。同じ流出、100万円の経費か、20万円の税金か(あっ、これも単純化した話です)。昔の私なら後者、キャッシュの留保を選択していたかもしれませんが、今の私はいうと「どうせ購入するものなら買っておこう。また頑張って稼がんと」と都合よく自分の背中を押します。不思議です。「立場」とは奇妙な椅子です。

もっとおもしろかったのが税務署。受付で事情を説明すると個人課税担当の方が出迎えてくれました。ここでもかつて(会計事務所の職員)の私なら「対権力」ということで無意識のうちに力が入ったり、斜に構えたり。ハッキリいうなら、「後ろめたいような感じ」もなきにしもあらず。まぁ、「合法的な回答をいかに聞き出すか」が目的というものありましたので。

ところが昨日はいうと、あけっぴろげに現状を説明したあと、どうすれば適切な会計処理と税法上の問題を解決できるかを質問。いやぁ、懇切丁寧に30分以上にわたって解説してくださいました。もちろん、ある種の杓子定規な回答が過半ですし、「こうすれば節税になりまっせ」なんて口が裂けても言ってくれませんが、「ものの考え方」をじっくり教えていただきました。相手の考え方を知るというのは、対税務調査においても対策を立てられますから。

ほんとうに立場が変われば都合よく変わるものです。おもしろい。いや、おもしろいというよりも我が儘という私の性格が大きく作用しているからでしょう。ただ、裏を返せばいかなる立場であっても適用できる鳥瞰図を獲得できていないわけで。そのあたり自己嫌悪です。嘆息。