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[Review]: すぐに稼げる文章術

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すぐに稼げる文章術 (幻冬舎新書)

タイトルとは裏腹に「私は稼げないな」と再認識し、あらためて自分の文才に嘆息した。

携帯メール、仕事上のメール、ブログ、ネットオークション、パーティーの招待状、会社に提出する企画書や稟議書、日報、恋人への言い訳—–。私たちが文章を書く機会は、ますます増えています。いざ文章を書き始めようというとき、多くの人は頭をひねってウンウンうなりながら「どう書くか」を最初に考えてしまうのではないでしょうか。しかし、本来優先して考えなければならないことは、「どう書くか」より、文章が「どう読まれるのか」ということのほうです。

『すぐに稼げる文章術 (幻冬舎新書)』 日垣 隆  P.10

  • 定義と根拠を示す
  • 仮説を立てて問題を解く
  • 個人的なテーマを広げながら書く
  • 「読ませる」ための7つのポイント
  • 接続詞「〜で」「〜が」の罠
  • NGワード「いずれにしても」他
  • 「ご報告」「ご相談」はご用だが

目次には「文章を書いている人の琴線に触れる」フレーズが並んでいる。ただし、本書は「文章読本」の類ではない。美文・名文が書けても「読んでもらえない」ならお金にならない。「稼ぐ」を徹底的に追求した「文章を書いてお金をもらうため」を目的としている。

冒頭、自分の文才に嘆息したと早々に手を上げた。なぜか?

「本棚1本分の資料がたまれば、確実に単行本になる」。私はこれをモットーとしてきました。京都大学の浅田彰さんに『逃走論』(ちくま文庫)という本があります。その後日談的なエッセイに、「300冊の文献を読んでこの本を書いた」という趣旨の一文がありました。私はそのエッセイを28歳のころに読み、なるほどぉと得心した。以来、私は「1テーマにつき最低本棚1本分」を目安としてきました。同P.141

筆者は1年間に3000冊の本を購入する。プロとしてお金を取れるようにするには、何につけても1万時間は1つのことに取り組まなければならないと言い切る。暗算すればすぐわかる。1日10時間で1000日かかる。それが5時間、2時間であれば何年かかるのか。

「文章術」の本にもかかわらず、本書を読むと、「プロである現在」の前にあったであろう「素人の過去」が想像できる。その過去は厖大な量の努力で形成されている。さらに、プロである現在でもその鍛錬にぬかりがない。

「私のやりたいことと日常の仕事内容が違う」と訴える人がいる。ほんとうにそうだろうか。「ライスワーク」と「ライフワーク」が峻別できていないのではないか。もし、自分がほんとにやりたいことがあって、寝ても覚めてもやりたいなら「すでにやっている」と思う。やる前に悩みながらも「放置」している「やりたいこと」は、実は「ライスワーク」を回避するための方便かもしれない。

筆者が長野市の出版社に勤めていたとき、そこへ出入りしていた羽振りのよい画商に尋ねたくだりが印象に残った。

「私は東京の出版社に転職しようか、あるいは独立してやっていこうか迷っています。できれば独立したいとは思いますが、どうすればあなたのようにお金の苦労をせずに、羽振りよくやっていけるのですか?」と単刀直入に訊いてみました。すると「まず、この会社を辞めなきゃね」とその人は言う。
私には「まず会社を辞める」という発想はありませんでした。その画商さんは「まず会社を辞めないと、次のことなんか考えられねえだろ」と言う。私は会社を辞めるメリットについて考えながら、ノートに20項目ほどメモを書き出していきました。すると、毎朝定刻に起きなくて良いということ以外は、会社にいたほうがよほどトクだということになってしまった。同P.156

にもかかわず、なぜ会社を辞めたのか?

仮に20年後にまだ会社が残っていても、社員が15人しかいないような会社ですから、たかが知れています。1つジャンプをするには、まず会社を辞めなければいけないのだなと、私はわりと単純に納得しました。そのことを画商さんに言ってみると、「会社を辞めたら人間、いろいろ考えるものだよ」と言う。実際に会社を辞めてみると時間が厖大にありますので、実際いろいろなことを考えるようになりました。同P.156

29歳、妻と子ども1人。退職後、消費者金融からお金を借りて取材費を工面する日々を続けて今に至る筆者がいる。

「文章術」と「プロ」、一粒で二度おいしい一冊。

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