ほんとうのライフはどちらに

日本の企業がSecond Life8階建ての貸し会議室ビルを運営するらしい。ファンドも立ち上がる。

東京23区内で貸会議室紹介サービス「ミーティングプラス」を手がけるファーストステップは2月6日、米Linden Labが運営する仮想世界「Second Life」に8階建ての貸し会議室ビル「ミーティングプラスSecond Life店」をオープンした。日本企業では初という。

先日、ある歯科医院で小一時間ほどスピーチした。そのとき、Secon Lifeにほんのわずかふれた。Second Lifeの詳細は割愛して概要だけ。

仮想世界。ただそれだけでは等比級数的に会員は増加しない。仮想世界で稼いだ電子通貨をリアルマネーに兌換できるがミソ。そこに目をつけた世界の企業やソニーやトヨタが、続々と Secon Lifeに参入している。現実と仮想をリンクする扉が開こうとしている。

来年にはどのような仮想世界になっているのか楽しみだ。ひょっとすると、歯科医院を開業する学生も現れるかも。数年もすれば一国のGDPを凌駕しているのか。

善悪是非の価値観を問うているのではない。ただ事実として現実のマスメディアがとりあげなくても蠢動している。マスメディアが気づいたときにはすでにマスメディアと呼ばれなくなる可能性を秘めているかと期待している。

セカンドライフでなくなるというよりも、どちらがセカンドかわからなくなる。数年前、インターネット"だけ"で商売している人は揶揄されていた。いまも少なからずある。が、もうすぐ、仮想店舗で現実の商品を販売している人をカウントするとき、仮想店舗で仮想の商品を販売している人も含めなければならなくなる。

現実と仮想、どちらに自分をインストールのだろう。しかし、<私>はどちらにも存在する。いや、もとい、<私>が存在するのかどうか私にはわからない。

眼に焼き付けた情景をカメラにおさめたはずの映像を、削除できる時代になった。さらにそれを「加工」して季節をかえることもできる。何がほんとうか。

仮想空間に仮想世界を構築するようになっても、その仮想空間につなぐ手段をもちえない人はゴマンといる。リアルとバーチャルを比較しても極化している。そのとき、自分の足はどこについているのか。どこにいようと、自分の足を「ち」につけ、頭に「ち」をあたえ、身体の「ち」を自覚できる<私>でありたい。