二つの海の交わり

インド国会で安倍総理がスピーチした全文。見事です。麻生外務大臣、外務省のみなさん、スピーチライターの方々、総理、ごくろうさまです。感謝いたします。

外務省「インド国会における安倍総理大臣演説」: 「二つの海の交わり」

太平洋とインド洋は、今や自由の海、繁栄の海として、一つのダイナミックな結合をもたらしています。従来の地理的境界を突き破る「拡大アジア」が、明瞭な形を現しつつあります。これを広々と開き、どこまでも透明な海として豊かに育てていく力と、そして責任が、私たち両国にはあるのです。[…]日本外交は今、ユーラシア大陸の外延に沿って「自由と繁栄の弧」と呼べる一円ができるよう、随所でいろいろな構想を進めています。日本とインドの戦略的グローバル・パートナーシップとは、まさしくそのような営みにおいて、要(かなめ)をなすものです。日本とインドが結びつくことによって、「拡大アジア」は米国や豪州を巻き込み、太平洋全域にまで及ぶ広大なネットワークへと成長するでしょう。開かれて透明な、ヒトとモノ、資本と知恵が自在に行き来するネットワークです。

自由と繁栄の弧

で、さいごにオチ。朝日新聞社の社説。

首相の訪印—価値観外交のすれ違い

日本にとって中国が持つ重みは、インドとは比べものにならない。在留邦人でみれば、中国が10万人を上回るのに対し、インドは2000人ほどだ。相互依存の度合いが全く異なるのだ。中国を牽制するテコにインドを使うような外交は見透かされる。インドにしても中国との交流を深めており、利用されることに甘んじるような国ではない。価値観を声高に唱えるような一本調子の外交は考え直した方がいい。

こういう社説が堂々と論じられることが健全な社会だと思います(棒読み)