サンケイという前提でちょっとバイアスをかけて読むぐらいがちょうどいいの鴨。
サッカー女子W杯グループA(17日、中国・杭州)当初予定の18日が満州事変が始まった日にあたるため17日に変更された試合は、日本にとってはアウエー同然のゲームとなった。
中国人観客は、最近当局が反日暴動などを厳しく取り締まることを知って“ドイツサポーター”に変身。日本のチャンスにはブーイング、ピンチには歓声を上げ続けた。試合終了後に日本選手が「ARIGATO 謝謝 CHINA!」の横断幕を掲げるとさすがに拍手。ある中国人記者は「あの横断幕を見て中国人として恥ずかしくなった」と話した。
日本の女子サッカーチームが中国で観客からブーイングを受けたにもかかわらず、試合後に「謝謝」(シエシエ)と中国への感謝を表した横断幕を掲げたことに対し、同国内では「勇気に感動した。見習うべきだ」と称賛する声と「過去の侵略を認めない日本の宣伝活動に感動するなど中国の恥だ」と反発する声が交錯、メディアも巻き込んだ論争に発展している。
外野は、嘲笑・立腹・無視・敵対と何でもアリな態度でムカムカできるわけだけど、やっぱり現場の選手には、心地いいものではないでしょう。
世界陸上 OSAKA2007の男子4×100mで日本が決勝へ進出した日、現場で観戦していました。そのときアメリカのアリソン・フェリックスがインタビューで
「今日は、観客も満員で大きな声援を受けたのですばらしい走りができた」
とコメントしてました(うろ覚えですがそんなニュアンスだったかと)。すべての選手に惜しみない拍手と声援を贈る行為が、選手の背中を押すのかどうかなんて私にはまったくわかりません。仮に選手がそれによってベストに近い、あるいはベストを越えるパフォーマンスを発揮してもらえたなら、結果的に観衆はスゴイモノを観たと歓喜できるのだと思うわけです。実際、私はそうでした。
中国人サポーターがやっている行為は、溜飲を下げるのでしょう。それで満足なのだろうと推察します。勝ち負けもさることながら、とにかく日本が苦しい姿を観たい。それを眺めながら罵りたい。
ただ、そのようなふるまいが全体のパフォーマンスを低下させる可能性は残っているわけで、そうなると、自分たちで「つまらない北京五輪」を世界へアピールして演出の一役を買うのだと思います。
こういう記事を眺めたとき、むかしは自分でどうにかできる問題でもないのにイライラしてましたけど、今は、「ああ、またやっているのか」と読むようになりました。
ただ、やっぱり選手はベストな環境で試合をしているわけじゃないなぁと。その点だけが気になるけど、それとて自分でどうこうできるわけじゃない。だから、ただ声をからして応援するだけです。それで一喜一憂させてもらえるのですからありがたい。
数値で採点するスポーツ観戦からちょっぴり距離を置いてみましょう。それもまた乙ですよ、中国の方々。