中国で製作した義歯から鉛

大気汚染でマラソンを棄権する世界記録保持者、食品テロと揶揄される中国製食品、海外に目を向けると中国製風邪薬で死亡者続出している南米、それにおもちゃから鉛が検出されて混乱している欧米の玩具市場。中国が世界にあたえる影響がすさまじいなか、今度は、「義歯から危険なレベルの鉛が発見された」らしい。米国発。日本でも緊急調査したところ、ちょっと怪しげな雰囲気も。

中国製の食品や玩具から毒性が検出されて内外で問題となる中、米国歯科技工所協会(NADL)が中国で製作された義歯修復物から「危険なレベルの鉛が発見された」と報告している。日本の歯科医療でも安価を売り物にした中国など海外の技工物が広がる状況にあり、歯科医に緊急アンケートを行った青森県保険医協会歯科部は「海外技工物に関しては、法律上の制約も行政上のチェックもないままに行われており、安全性の面から大きな問題がある」と警告している。

via: 中国義歯から鉛「安全に問題」(医療介護情報CBニュース)

鉛に加えて「放射性アイソトープ・トレース」が含まれていることも判明し、米国歯科医師会(ADA)は「非常に深刻な事態」と指摘。日本は技工士のみなさんが大変な苦労されつつ制作しているので安心なのかなぁと思っていたら、どうやらそうとは言い切れない面も。

青森県保険医協会歯科部のアンケートによると

海外技工物の案内やチラシについては、「見たことがある」が44人と約4割を占め、その時期に関しては「平成17年」が7人、「平成18年」が13人、「平成19年」が16人と増えており、海外技工物の宣伝が2〜3年の間に急速に広まっていることが分かった。技工物の内容(複数回答)では、「義歯」が過半数を超える35人、次いで「冠」が19人で、この2つが全体の8割を占めていた。

また、海外技工物が下請けで海外に出されているケースに関しては、「知っている」が48人と4割強に上った。知った時期については、海外技工物の案内やチラシの認識と同様、「平成17年」が7人、「平成18年」が10人、「平成19年」が12人と、ここ数年で増加傾向を示した。

一方、技工物の依頼では、「ない」が圧倒的多数の106人、「ある」は5人にとどまった。今後の利用に関しては、「ない」が101人。ほかは「条件が合えば利用する」が10人、「ある」は1人だった。

via: 中国義歯から鉛「安全に問題」(医療介護情報CBニュース)

この回答から察するに、すでに国内に流通しているわけか?

「低医療費政策のもとで、経営を守るために、より安価な技工物に傾斜せざるを得ず、コスト面で海外技工が広がる土壌がある」と指摘されているようで、事実だとすると、歯科医療の保険点数が改善される見込みはうすく、歯科から技工士へのプレッシャーはますます強くなるのではと危惧します。

ちょっと神経質かもしれないけど深刻かと。