鏤骨

2010.05.10 雨

自宅のリビングの窓は道路に面している。毎朝、椅子に座ってブレックファースト。窓の向こうは行き交う人々。誰かの服は季節とランデブーして変わってゆく。自宅と道路は高低差があって、自宅側が高いので目線を少し上げると、電線が見える。見上げなくてよい角度。鳩が電線に舞い降りる。10日ほど前から気になっている鳩。鳩の嘴は何か咥えている。 鳩は少し左右に注意を払ってから2mほど飛ぶ。20秒ほどすると、鳩はどこかへ飛び立つ。数分後、また電線に着地。左右注意。飛翔。20秒。何処かへ。それが毎日繰り返される。巣作り。それを眺めていると、脳は鳩への質問を出力する。鳩は回答してくれないけれど、Googleが代わりにリストを提出してくれるだろう、とわかっていても、脳は質問の出力を停止しない。

F社のページ制作。テキストに苦心。問い合わせたくなる、相談したい、もっとサイトの人の話を聞いてみたい、と思わせるテキストを作成したいので、頭を絞る。

F先生の合宿の時、DHの方々がPPの制作で苦労していたので、100個の言葉を書き出してみたらとアドバイスした。もちろん、100個は難しいと委細承知。あえて助言した。そしたら30,40個出た。次に、それらの言葉を数個に削り落としてPPに落としたら、と説明した。そのPPでプレゼン。ステキなプレゼンだった。DHの方々の表現能力に感嘆。

同じだ。100個のテキストを作り、その中から1個を選ぶ。でも、100個をリストできない。なのに、考えましたと自分は言いたい。それは甘えだ。じゃぁ考えましょう、と会議で発言して小難しそうな顔した人々の頭の中は映像と言葉が出力されているのだろうか。映像と言葉の個数は? 個数が2未満ならば、アイデアは生まれない。

シンプルな表現とは、削るデザインであって、足し算の発想ではない。削りたければ削る素材を自分で考えて持たなければならない。削る素材を持っていなければ、シンプルな表現はない。何も素材がないから、つい足したくなる。詰め込みたくなる。素材を持つ人は巧みな比喩で表現し、素材を持っていない人は練られた修辞で表現する。どちらも卓越した能力だ。自分がどちらかを選択するとしたら? さて視点を変えよう。設問を変えよう。新たな設問を考えよう。

日本でiPadの予約が始まった。行列だったとのこと。米国ではほぼすべての出版社がGoogleの電子化を承認したみたい。Googleが取り扱う書籍数は400万? 1,000万?とも。世界最大の書店が誕生する。Googleは端末も発売して書店+端末を展開するんだろうか。ブロードバンドで後塵を拝しているはずの米国は、ライフスタイルを激変させるプラットフォームを展開している。不思議。

今週の週刊ダイヤモンドは、「アップル丸かじり」がテーマ。とてもおもしろかった。星野社長のiPadが発売されたらMacBook Air+iPhoneスタイルを捨てて、iPadだけを持ち運ぶという発言が未来予感。クリエイティブなデスクハードワーカを除けば、もうそろそろPCと携帯って分類も終熄する時期なのかな。

iPadで仕事探しは最先端(-_-;)