愚昧

2010.08.06 晴れ

プランタのミリオンベルは成長のコツをつかんだのか遅ればせながらの勢いで伸びてる。朝、それを眺めている自分の位置から緯度と経度を入力したら世界の各地で水害や洪水、猛暑による山火事が起きている。

北極圏のデンマーク領グリーンランド北部のペテアマン氷河から巨大氷島が分離した。面積260平方キロの巨大な氷の島が海上を漂流し始めた。崩落した氷塊の大きさは米ニューヨーク・マンハッタン島の約4倍、高さはエンパイアステートビルの約半分ほどらしい。氷塊に閉じ込められている水量は全米国民が利用する水道水にして120日分にも相当する。氷塊の姿形を文明生活の物質へ置換した数値を読んでも感覚のセンサは鈍い。

13:00からF先生のミーティングに出席するために11:00前に出発。大阪駅構内のカレーをランチしてから12:45に到着。みなさんがお昼を食べている間、ノートPCにSkypeをセッティング。13:15にスタートして14:50に終了。

「だいたいにおいて、正念場の実体は、 本当の正念場よりも、ずっとまえにある」と保呂草潤平は言ったように、考えどころは想定よりずっと以前の時点に存在する。「そこまで考えている」と自己を労る無知は無邪気であると同時に危険な事態を招く。経験則から言えば、「そこまで考えている」とアピールするスタイルの8割は練習のための練習であり試合を想定した練習じゃない。「そこまで考えて」いないし仮に考えていると自らが定義できても端から眺めたら考えている自分の姿に心を奪われてうっとりしているように映ってしまう。

17:40まで滞在してから19:00からのM先生のミーティングに出席。19:15にスタートして20:30に終了。S氏, Y氏, H氏が吸収している。スピードに驚く。今年の猛暑のプランタのように朝に水やりした土は夕方、否、昼過ぎには乾いている。ほんとうに素晴らしいと思う。

ミーティングが終わった後、M先生と食事へ。現在の状況や人員配置、来週の面接や増看などについて相談を伺う。それらに隠れる構造的な問題を把握するために尋ねる。5月から6月にわたってスタッフだけでミーティングした内容と要望もお伝えできしっかりとした手応えをつかめた食事になってM先生に深謝。

目の前に事実というホールケーキがある。それを切り取らなければならない。真上から視られない。天の視座を獲得できればホールケーキだと認識できるが、思考というナイフを持って切り取る人は円かどうかを生憎認識できない。円のケーキから25度だけ切り取る人もいれば、90度を切り取る人もいる。さまざまだ。ガタガタに切る人やスッパリと切れる人。

角度は問題ではない。薄いか厚いか切れ味は優劣ではない。自分が切り取ったケーキを口に入れて理解してケーキを吟味する行為が大切だと思う。

想像力という乗り物にのって円を認識したい人はいる。その人が「わからない」というハンドルを握っていればルールとマナーを守ってなるべく事故を起こさないように運転するだろう。巨大氷塊が大陸に当たる確率ぐらいで円と認識できたら切り取り方は変わってゆく。

「わかる」というハンドルを握っている人は背景に透過した事故に遭遇する確率が高い。ホールケーキを切り取らずに丸ごと食べられると思っている。