感度

2010.09.23 雨のち曇

未明から早朝にかけて大雨。雨音で目が覚めた。外を眺める。雨が降って気温が下がりまた少し気温を上げて、ふたたび雨が降る。少しずつ秋がやってきているのに濃淡の段階的変化には気づきにくい。絶対値の気温が5度下がってもTシャツで出かける人々がいるんだから風景の階調が変わってきてもなかなか気づけない。

WPの制作。ショッピングカートの設置に悪銭苦闘。マニュアルを読みながら進める。オープンソースのCMSを使ってサイトを設置する手法が定着した。これによってサイト運営者自らがサイトを更新する障壁はずいぶん低くなったと思う。専門業者に更新をまかせなくてもよくなった。無料でウェブサイトをスタートできるようにもなった。ただ、サイト運営者がショッピングカートやちょっとした手を加えなければなったとき、まだ敷居が少し高め。

米広告会社VideoEgg が MovableType を販売している Six Apart を買収した。日本法人は社名もそのまま現状維持みたい。5年前では予測できない出来事がちゃんと起きる。

オープンソースのCMSを採用する時、海外はWPを使う。シェアの順位は1位がWordPress(圧勝), 2位がJoomla!, 3位がDrupalでMovableTypeは5位。2004年からシェアを奪われ続けて見る影もない。マイクロブログではTumblrが再び台頭しているし今ならTwitterで充分もありうる。

次の5年後、どうなっているかわからない。ルールは常に変わっていることを気づかない。

僕が使っているK10DはISO感度800だとノイズが増える。画質が粗い。撮影したコンテンツそのものの興味を持っているのでノイズを気にしていない。

K10Dのファインダをのぞき込む。ファインダに表示されたISO200, 400, 800の数値は対人関係の感度を示している。感度を上げたらノイズが増加して撮影した画像は粗くなる。感度を上げてもノイズが少なく、SN比が高くなれば自分の気持ちを伝達できるだろうか。

少し考え直そう。ほんとうにノイズなのか。着目する点を面へ広げたり見方を変えたらノイズはネガティブな信号かもしれない。我に向かって発信されるネガティブな信号をノイズと判定してしまっている。その可能性を吟味しなければならない。ノイズが増えてSN比が低くなったから私の意図を伝送できない、相手も受信しないと認識する。

シャッタースピードとF値とISOなどすべてが同一条件のK10Dが2台ある。同じ風景を2人で撮影してみよう。ディスプレイに映し出された映像は異なる。優劣をつけるならどちらかに軍配があがる。それは構図だ。

ノイズが増えてもステキな一枚の写真を撮影する人はアッと声をあげさせる構図を作り出す。同じファインダをのぞき込んだのに。あの人はあんな風に世界を切り取ったのか。

対人関係の感度を上げられて周囲のノイズが低くなっても、私が切り取る構図がアサッテの方向へ向いていたら受け止めてもらえない。私が切り取る構図とは解釈の仕方と理解の手順である。その構図を表現して相手と折り合いつけられる能力がほんとうの感度だと僕は思う。