冬至

2010.12.22 曇

二十四節気のひとつ。第六十四候の乃東生。あらゆる草木が枯れ果てるも太陽は冬至を境に力を再生して春が訪れる。体感的にはまだ早い、だけど春は訪れる。待ちわびる。情景的に書けば一年でいちばん昼が短く、夜の長い時。これから日脚が伸びていく。子供の科学的に書けば、太陽黄経が270度のときで北半球では太陽の南中高度が最も低い。僕は前者の方がわかりやすいから文系だな。

「○ん○ん」がつく食べ物を七種食すとよいとされる。『南京・人参・蓮根・銀杏・金柑・寒天・温飩』、旬のやさいは蓮根。極楽の根太。ゆで湯に酢を落とすと色よし。風物詩は柚子湯。いまでは動物も目を閉じ湯につかってうっとりしておる。

午前中、アルバイトの不足資料が送られてきたので残りの1%を進めて仕上げた。データを送信。午後からO先生のサイトを仕上げていく。なんとか年内にアップしたいなあ。持てる力を出せたなあ。でもやればやるほどまだやりたりない感が増幅。どこかで適当な折り合いをつけてまずはリニューアルせんとなあ。

田中秀臣先生のはてなに「空求人」問題が掲載されていた。以前、ここでも紹介した問題。ハローワークの空求人は5〜6年前からあったらしい。今でもハロワへ行けば見かける(原因を直接ハロワの人に尋ねられないから裏取りできないけど)。求人を出しながらいつまでたっても実際には採用しない企業は少なからず存在する、という周囲は感づいている。補助金目当て、あるいはハロワの人が求職を増やす画策とか、いろんな「仮説」があるみたい。

ラジオで HIRO T (だったと思う)が「朝、目覚めてから布団を出るまでの全国平均は13.3分」って紹介していた。ウェザーニュースのアンケート結果だって。最も布団を早く出るのは徳島県と宮崎の11.0分(都道府県別)。次いで山口県、福井県、奈良県と続く。傾向は西日本が早く北日本が遅い。でもワースト三位はすべて西日本。

僕は5分ぐらいかな。この時期だと目を覚まして即起きはキケン。布団の中で手足をグッパグッパ、両腕を天井へむけてあげる。血液を送り出してゆっくり起きる。だから5分。

ちなみに朝起きてから家を出るまでの男女別の時間も調べたとの由。全国平均は女性87.2分、男性59.9分。男性の最短は佐賀県の47.1分、女性の最長は鳥取県の99.1分。

僕はだいたい90分。理由は○んこ。「一定時間○んこができなければ強烈な恐怖感に襲われて乗り物に乗れない症状」と勝手に名付けている(程度は知らない)。トイレのないバスは30分以上乗れない。昔、通勤で乗っていた京阪特急はマイッタ。当時は京橋から七条までノンストップ。気が気でなかった。車の旅行は家族とだけOK。友人や知人とはNG。すべて断っている。まぁ、20年ぐらいこの状態とつきあってきたのでツライとかシンドイとかはない、幸いに。

夜、クリミナル・マインドを視ていたらワーズワースの詩を聞いた。何度も視ているエピソードなのに気づいていなかった。僕は気に入った映画やドラマを何回、何十回と視る悪癖を持っている。

Though nothing can bring back the hour of splendor in the grass, of glory in the flower, we will grieve not. Rather find strength in what remains behind. – “Splendor in the Grass” William Wordsworth

クリミナル・マインドの訳は

あの草原の輝きや草花の栄光が帰らなくても嘆くのは止そう 残された物の中に力を見出すのだ かつてのあのまばゆい輝きが今や永遠に奪われても 例え二度と戻らなくても – “草花の栄光”

ウィリアム・ワーズワースで好きな詩は、『発想の転換をこそ』(『イギリス名詩選 (岩波文庫)』 岩波書店)。一部を引用すると、「君の本を捨てるのだ! 立て、立ち上がれ、自然には本に書かれている以上の叡智があるぞ!」って内容が続いた後に

自然は、人間の精神と心象を浄める
無限の富を貯えた宝庫なのだ。
その健康な姿を通して、知恵が脈々と迸り出、
その快活な姿を通して、真理が脈々と迸り出ている。

春の緑の森の一瞥がもたらす感動は、
すべての賢者以上に、人間について、
人間の善と悪という倫理の問題について、
我々にさまざまなことを教えてくれる。

自然が与えてくれる教訓は快く胸をうつ。
我々の小賢しい知性ときたら、
事物の美しい姿を台なしにしてしまうだけだ、ー

『イギリス名詩選 (岩波文庫)』 岩波書店 P.155

鳥は深遠な聖職者、万象の光輝燦然たる世界。自宅から数分歩けば至る所に聖職者はいるし世界はある。ただし僕はそれらに気づいていない。僕は気づくよりも分析してしまい対象を扼殺している。