diary

狭窄

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2011.01.10 晴れ

「現代人は情感が乏しいので、情感を表す語彙が貧困になった」のではない。「情感を表す語彙が乏しくなったので、情感が乏しくなった」(『ひとりでは生きられないのも芸のうち』 内田 樹 P.139)ことをラジオを聴くようになってしみじみ感ずる。季節の風物詩をテレビの映像で視るのとラジオで聴くのとは異なる。後者は一手間多い。テレビは映像をダイレクトに伝達してくれる。ラジオは文字情報から映像を描かなければならない。言葉が媒介するから一手間多い。映像を描くとき、情感を表す語彙を知らない自分に気づく。

小寒、第六十八候。水泉動。一年でいちばん寒い時期へ向かう。身体の感覚は寒さに引き寄せられ五感は寒気に奪われる。一方で自然は春の準備を粛々と進めている。前日、5kmほど散歩へ出かけた。桜のつぼみ(になりかけ)。今冬ならよい天然氷を作られるのかな。

アクセスログを分析していると興味深い。このブログでの話。表のブログは昨年の8月から更新が止まっている。もっぱらココを更新している。先日、「与件」という日記を書いた。アクセス数が少なかった。この記事はテストだった。この記事は「Continue reading…」をクリックしないと続きを読めない。ところがほとんどの人がクリックしていない。RSSは全文表示しているので、最後まで読んでいるかどうかは判別できない。

このブログでは「Continue reading…」をできるだけ使わない。トップページから流入するユーザにも全文をご覧いただけるようにしている。ひとつやっかいな点がある。トップページからアクセスする人、たとえばブックマーク経由のユーザは記事の全文を読んでいるか否かを判別できない。

このブログはもう「日記」になっている。情報提供や書評、ハウツー系などはもう書いていない(昔は書いていた)。もともと一つのジャンルに絞り込んだブログじゃない。テーマもバラバラ。よってSEOのデータは不充分だ。とはいえ今回のテストは興味深い。

テストから「書きたい情報(あるいは読んで欲しい情報)と読みたい情報は異なる」という事実を再確認できた。

ウェブサイトのライティングの基本は3つ。「見出しをつける」「結論を先に書く」「これから何を話すのかの概略を書く」の3点。特に「見出し」は重要で見出しと結論先行型の文章は必須だ。僕の日記はすべての点に反抗している。最後まで読んでもわからないし概略も書かない、見出しもなし。

「与件」の記事は、ライティングの基本を守っていない、説明が下手、文章が下手、そして何を云いたいのかさっぱりわからない、だから読んでもらえない。原因はそれ。でももっと端的な理由がある。「興味がない、関心がない」と推察している(あっ、「Continue reading…」をクリックできるって知らないもある!)。

僕は「データとデザイン」の関係をあの記事で述べている。デザイン思考の要点を書いた。データはメタファでデータの話をしたんじゃない。でも、書いている内容、特に冒頭がファイルサーバのデータだから、ユーザはPCネタと判読する。

もう昔から使い古されたテンプレートなんだけど恐ろしいぐらいしぶとく生き残っているフレーズがある。「ユーザが何を読みたいのか考えよう」ってストックフレーズ。このストックフレーズを書きたくないし口にしたくもない。はじめて会った人がこのフレーズを五分以内に口にしたら、申し訳ないが僕はその方を信用しない。それぐらい忌み嫌っているけど備忘しておく。でも、これがホントにそうだ。

『それは「情報」ではない。―無情報爆発時代を生き抜くためのコミュニケーション・デザイン』 リチャード・S. ワーマン を読めば、「情報」を書いていないと理解できて茫然とするし、続けて『理解の秘密―マジカル・インストラクション (BOOKS IN・FORM Special)』 リチャード・ソウル ワーマン を読むと、「こちらが伝えたい内容をまったく理解してもらっていない」ことを身を以て知る。

「伝えたい情報」と「知りたい情報」は対立する命題と云ってもよい。書こうとする瞬間からウェブサイトのページは二律背反に陥る。書き手はディレンマを抱え込む。

どう折り合えるか。それがウェブサイトの作り手の腕なんだよね。そんなわけないやん、運営者からの文章をコピペすればOKって反論されるし、大半はそうしないと制作料金の割にあわないけど、これが制作者の生き残るコンテンツになるんだと思う、いやホントに。

って、コレもサイト制作を出汁にした。「伝えたいこと」と「伝わること」やら「言わなければならないこと」と「知りたいこと」とか、もうストックフレーズに登録されたテンプレートへのアンチテーゼなんだけどね。

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